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Analyzing tech stocks through the prism of cultural change.

Photo by Chesnot / Getty Images

アマゾン・ドット・コムが、再び成し遂げた。2019年の年末セールに消費者が殺到し、販売記録が塗り替えられたのだ。同社の株主はいま、その見返りを手にしている。

クレジットカード大手マスターカードが2019年12月末に発表したデータによると、2019年11月1日から12月24日までの年末商戦におけるオンライン販売は、前年比で18.8%増加し、アメリカ全体の小売販売の14.6%を占めた。対する実店舗の販売は1.2%の伸びにとどまっている。

実店舗にとっては、思った以上の打撃だ。しかし、実店舗経営者が責めるべき相手は自分しかない。

アマゾン・ドット・コムは、攻撃的なライバルだ。ワシントン州シアトルに拠点を置く同社は、実店舗と価格競争を繰り広げると同時に、「顧客体験」を中心にしたサービスを、手を抜かずにひたすら構築してきた。

アメリカでは、年会費119ドル(日本は年間4900円)を支払ってプライム会員になれば、お急ぎ便が無料だ。加えて、音楽ストリーミング「Prime Music」や、映画やTV番組のストリーミング「Prime Video」、写真を容量無制限で保存できる「Amazon Photos」などが無料特典として利用できるほか、同社傘下のゲーム実況配信サービス「Twitch」にもアクセスできる。

心惹かれるサービスがこれだけ揃っていれば、混雑するショッピングモールに行かずに、家にいようという気にもなる。

しかし、アマゾンが顧客を獲得できている理由はそれではない。同社の真価は、以前からサービスにあった。

アマゾン・ドット・コムが抜きんでているのはカスタマーサービスだ。客から苦情が寄せられれば、すぐに徹底解決する。そして、それを行うのは生身の人間だ。

アマゾン・ドット・コムは、米世論調査会社ハリス・ポールの企業評判ランキングで、2016年から2018年まで3年連続1位を獲得した。同社の米国顧客満足度指数(American Customer Satisfaction Index)も、2007年以降、トップ10内を維持している。

アマゾンのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)はかつて筆者に対し、企業の利益と顧客の利益を合致させることが成功を確実なものにすると語っていた。

ベゾスは創業当初から、カスタマーサービス担当幹部に対し、顧客満足度100%を目指し、それ以外のいかなる結果にも決して甘んじてはならないと説いてきた。アマゾンが、ニッチなオンライン書店から世界的な巨大企業へと成長した過程では、甘んじたほうがラクな場合もあっただろう。しかし、決してそんなことにはならなかった。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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