ヴィクトリアズ・シークレットの問題は、男性消費者を念頭に置いているものの、購入者の大半が女性であることのようだ。こうした女性は、過剰なセクシーさではなく、着心地や親しみやすさに焦点を置いたスタートアップに目を向けるようになっている。
女性企業家らは近年、自分らしさとポジティブな体のイメージに注目した下着ブランドへの需要を満たすべく、下着企業を立ち上げてきた。下着業界の今後の方向性を示す企業の例としては、サードラブ(ThirdLove)、トゥルー・アンド・コー(True and Co.)、ニックス(Knix)がある。
こうした企業は、ヴィクトリアズ・シークレットのようにヘリコプターやバイク、爆発を背景に露出度の高いモデルを歩かせたり、モデルに巨大な天使の羽をつけたりはしない。代わりに、客が自分に最も合った商品を見つけるための質問集を作ったり、汗などの染み出しを防ぐ新技術を開発したり、普通の人と変わらないモデルを起用したりしている。
男性のために女性をセクシーに見せるという目標にしがみつくブランドは、2020年の市場で生き残れるのだろうか? 現在82歳のウェクスナーは引退を考えているらしく、同社の売却を模索している。ヴィクトリアズ・シークレットが次の世代まで生き残るためには、組織とブランドの両面で大きな文化の転換を遂げなければならないだろう。