人気クリエイター陣による「読むチョコレート」地方創生の契機に

読むチョコレート「Chocolate Library」執筆者の一人、東京藝術大学卒のアーティスト/起業家のharu.


農園のカルチャライズ


『Chocolate Library』に関わるメンバーが最も大切にしているのは、「地方で奮闘するフルーツ農家の存在・想いを、これまで届かなかった都会のカルチャーシーンにぶつけること」。

スイーツをただのスイーツで終わらせず、映画や音楽のように誰かの人生や思想に影響を与える存在へと昇華し、「読むチョコレート」体験をした人同士が将来も思い出を語り合いたくなるようなブランドをつくることが、真の意味で農園を深く世の中に届けることだと考えているからだ。(プロジェクトメンバー間ではこれを「農園のカルチャライズ」と呼んでいる)

『Chocolate Library』の商品ラインナップは以下の通り。

読むチョコレート
「Yamagami Farm × haru.」。鹿児島・山上農園の園主がデコポンを我が子のように愛でながら育てているというエピソードをインスピレーションの種に、東京藝術大学卒のアーティスト/起業家のharu.がエッセイを執筆


読むチョコレート
「Mikamo Farm × Miyu Otani」。徳島・ミカモファームの園主が高級品種の苺「アスカルビー」を宝石のように取り扱っているというエピソードをインスピレーションの種に、多数のファッション誌で活躍するモデル/執筆家の小谷実由がエッセイを執筆

読むチョコレート
「Shiroyama Minori Farm × Rei Shito」
元パティシエで千葉・城山みのり園の園主が「ケーキ店のショーケース」のようにこだわり抜いた美しい梨園で果実を育てているというエピソードをインスピレーションの種に、ストリートフォトグラファー/ジャーナリストのシトウレイがエッセイを執筆

今回、梨を提供してくれた千葉・城山みのり園は、昨年の超大型台風で数トン規模の梨が被害を受けた。農園周辺はなぎ倒された多数の大木で埋め尽くされている状況だったにもかかわらず、元パティシエでもある園主が強い美意識で運営する園内はCGで制作したかのように美しく整備されており、彼の折れない心が反映されたその光景はプロジェクトメンバーに勇気を与えてくれた。各地の農園に直接足を運び生産者の想いを目の当たりにすると、責任を持ってこのブランドを発展させなければという意識が高まる。

そこで筆者は、社会貢献事業を「クリエイティブ」「クール」な形に落とし込み、経済圏をつくる上で重要な「都会」の生活者をファンにするような商品・サービスを「URBAN SOCIAL BUSINESS(都会的ソーシャルビジネス)」と定義・ネーミングし、この領域の研究を行うことにした。今後は、多様な企業・団体が展開する「URBAN SOCIAL BUSINESS(都会的ソーシャルビジネス)」の最前線を取材し、成長のヒントを探す。この場を借りてソーシャルビジネスに関心のあるすべてのビジネスパーソンに共有するので、様々なアイディアやご意見もいただきたい。

文=黄 孟志

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