人気クリエイター陣による「読むチョコレート」地方創生の契機に

読むチョコレート「Chocolate Library」執筆者の一人、東京藝術大学卒のアーティスト/起業家のharu.

東京で発見した「都会テイストのソーシャルビジネス」を取り上げ、これからの時代に業界を問わず必要となる「企業・消費者・社会のwin-win-win」を実現させるヒントをご紹介しようという本連載。

第1回となる今回は、自己紹介も兼ねて、雑誌やWEBメディアでの編集・執筆を主事業とする筆者が「編集長」(一般的な言い方をすればクリエイティブディレクター)として参加したスイーツブランド『Chocolate Library』をご紹介したい。大手広告代理店のプランナー/発明家として活躍する高橋鴻介、また農園研究やカカオ開発のスペシャリストたちと共に立ち上げたブランドだ。

chocolate library 読むチョコレート

600字のエッセイ×果実×チョコレート


「本」の形をしたこの商品。パッケージを開くと、本格ドライフルーツをチョコレートでコーティングしたスイーツが現れる。同封された文庫本サイズのカードに記されているのは、約600字のショートエッセイ。フルーツ農園の魅力・想いをインスピレーションの種に、東京のカルチャー界隈で影響力を持つクリエイターが執筆したものだ。スイーツと詩的なエッセイをペアリングすることで味わえる、“心の頬が落ちる”ような新体験。それが「読むチョコレート」が消費者に提供する価値である。

2019年11月にブランドが誕生し、限定生産した商品は即完売。そして2020年2月のバレンタインシーズンでは、3年ぶりのリニューアルで注目を集める新生・渋谷PARCOのメインPOP-UP SHOPとして抜擢された。他にも渋谷ヒカリエMADO、BEAMS六本木などでも取り扱いが決定するなど、スピード感をもってブランドの展開を進めている。

読むチョコレート

地方創生をミレニアル・Z世代の「気分」に


旬な商業施設やブランドのバイヤーに支持を受けている大きな理由のひとつは、“地方創生”の要素を、都会で生活するミレニアル世代・Z世代の気分にもマッチする形に落とし込んでいることだろう。今、時代の先端の感覚を持つ若い生活者ほど、「世の中のためになる」「社会を良くする」ことに繋がる消費への関心度は高い。しかし、ビジュアルやエンタメ性などクリエイティブ面で、洗練されたライフスタイルを持つ彼ら、彼女らがお金を出して手に入れたいと思える商品はまだまだ多くないのが現状だ。

読むチョコレート
農園の魅力・想いを届けるエッセイを執筆しているクリエイター陣。左からアーティスト/起業家のharu.、モデル/執筆家の小谷実由、ストリートフォトグラファー/ジャーナリストのシトウレイ
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文=黄 孟志

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