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Photo by Rachel Murray/Getty Images for Casper Sleep Inc.

ハイテクで洗練されたマットレスをEコマースで直販する企業「Casper(キャスパー)」は、ここ数年のトレンドとなったD2C(ダイレクト・トゥー・コンシュマー)分野を代表する企業だ。同社は1月、ニューヨーク証券取引所に上場申請を提出したが、IPO価格を当初の予定から大幅に引き下げ、12〜13ドルのレンジに設定すると述べた。

Casperは現時点で黒字化を果たせていない。上場時の売出し価格を12ドル台にした場合、評価額は5億ドルに満たないことになる。同社は以前の発表では、IPO価格を17〜19ドルにすると述べており、7億6000万ドルの評価額を見込んでいた。

直近の2019年3月の資金調達時に、Casperの企業価値は11億ドルとされていた。同社の20以上の初期出資者には、ターゲットも含まれているが、彼らはIPOからリターンを得られないことになる。

Casperは、自社が睡眠分野の新たな市場である「スリープ・エコノミー」を牽引する企業であると述べており、グローバルでの企業価値が、4320億ドルだと試算している。米国のスリープ・エコノミー市場の規模は、800億ドル相当であるとされている。

ニューヨーク大学教授のAswath Damodaranは先週、Casperの17ドルから19ドルというIPO価格が高すぎると批判し、13ドル程度がふさわしいと述べていた。

7カ国でマットレスを販売中のCasperは赤字続きで、2017年に7340万ドル(約80億円)、2018年に9210万ドル、2019年の年初から9月までで6740万ドルの損失を計上していた。売上は2017年から2018年にかけて40%以上も上昇し、2億5000万ドルから3億5000万ドル以上に伸びていたが、それでも同社は赤字状態から抜け出せていない。

ニューヨーク本拠のCasperは5年前にマットレス販売を開始し、ミレニアル世代から強力な支持を得た。同社は既にリアル店舗への注力も開始しており、米国とカナダで60以上のストアを展開するほか、ターゲットなどの大手小売業者にも商品を納入している。

Casperの上場手続きはモルガン・スタンレーやゴールドマン・サックス、ジェフリーズらが主幹事を務め、ティッカーシンボルは「CSPR」となる。

今年はCasper以外にもいくつかの注目スタートアップが上場に踏み切る予定だ。インフルエンサーのパワーで急成長を遂げたアパレルECのRevolve(リボルブ)や、ペット関連のEコマースの「Chewy」も、年内のIPOを目指している。

編集=上田裕資

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