センサーを駆使した計測とその活用、スタジアムと観客をつなぐソリューション、ビジネスの収益化を高めるアプリケーション、そして関連グッズやコンテンツ製作にいたるまで、幅が広い。
中でも、特徴的だった事例を、速報で紹介しよう。
スポーツDMPの本格始動へ
観客のファン化、集客力、そして地域活性にマーケティングデータを利活用する具体例が動き出している。人が集まる状況を多面的にマーケティングデータとする発想は目新しいものではないし、すでに横浜DeNAベイスターズなどのように地域活性の精力的な取り組み事例もある。下記事例は、観客と運営、地域をまるっと一体型でデータ活用しようとするものだ。
富士通
同社の提供するソリューションサービス「SmaSpo@」はアプリやサービスを通じて、競技者とファンをつなぐ。来場履歴、チケットや関連グッズの購買、来場者の行動履歴を分析して、チーム運営や質の高いファンサービスへの転化を図るソリューションだ。SmaSpo@の持つ20を超える機能からチームの状況に合ったデータ利活用メニューを選択できる。
富士通フロンティアーズ(アメフト)や、株式会社ドームがスポンサードする、いわきFCなどでは、このサービスを導入し、電子チケットによる事務・集計作業効率化、来場者管理、クラブ情報との連携、ファン属性情報を生かしたコミュニケーションで満足度を向上させている。
パナソニック インフォメーションシステム
常に満員で稼げるスタジアムへ、をテーマに掲げ、独自のマーケティングサイクルを構築し実際に運営に生かす実行支援コンサルティングのサービスを提供している。パナソニックがサポートするガンバ大阪での導入後、開幕戦チケット売上計画比117%UPを叩きだす。また地理情報を活用した近隣のポスティングなどで開幕4試合で847名の「地元会員」を獲得したという。
データ収集→分析→施策検証のサイクルには、同社の強みであるIT基盤や、家電事業で導入したCRMの運用ノウハウなど、グループとしての総合力にあるだろう。
上例に共通して言えるのは、自分のチームを持つ企業ということだ。ソリューションそのものを自社グループでPDCAできることが、仕組み自体の粒度を高めることになる。このリアリティが「商品になるサービス」を生んだと言えよう。そのおかげで、自治体や他業種への活用が進む基盤にもなる。