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英国のスコットランド本拠のロケット打ち上げ企業「Skyrora」は、プラスチックごみから生み出した「環境に優しいロケット燃料」を使用する、宇宙ロケットの打ち上げを2022年に計画している。

エジンバラに本社を置くSkyroraは先日、3Dプリンター製のロケットエンジン3.5kN Leoのテストを成功させた。このエンジンは、同社の「Skyrora XLロケット」の打ち上げに用いられる。

Skyroraがプラスチックごみから生み出した燃料は、Ecoseneと名づけられた。Ecoseneは従来のケロシン系ロケット燃料RP-1との比較で、温室効果ガス排出を45%削減できるという。Ecoseneは従来のロケット燃料のような低温貯蔵施設を必要とせず、長期間タンクに保存可能なため、スコットランドの厳しい気候条件にもマッチするという。

「新たな燃料はアッパーステージのLeoエンジンで用いる」と、Skyroraのエンジニアリング主任は声明で述べている。「一般的には埋め立てに用いるしかない、リサイクルに不向きなプラスチックから生み出したロケット燃料を用いて、宇宙産業に革命をもたらすという我々の野望を、現実にしたい」と、担当者は述べた。

Skyroraはまず、従来のケロシン系燃料で新たなエンジンのテストを行った後、Ecosene燃料に切り替えて複数回の燃焼テストを実施したという。その結果、Ecosene燃料が安全に利用可能であることが1月31日の最終テストで確認できた。

新型のLeoエンジンは、3ステージで構成される全長22メートルのSkyrora XLロケットのアッパーステージに用いられる。Skyrora XLロケットは、小型のペイロードを地上から500キロの軌道に運ぶ能力を持つ。

Skyroraは今後の数年で英国からロケット打ち上げを計画する数社のうちの1社で、競合にはOrbexや、リチャード・ブランソンのVirgin Orbitらが居る。

Skyroraはロケットの打ち上げ拠点をまだ正式にアナウンスしていないが、スコットランドのシェトランド諸島北部のアンスト島が、有力候補とされている。

同社は昨年7月に、全長2メートルのSkylark Nano IIロケットをスコットランド北部から打ち上げ、機体は約6キロの高さに到達し、速度は時速1800キロを超えた。同社は次回の「Skylark Microロケット」を40キロの高度に到達させる計画で、その次の「Sky Highロケット」を宇宙に送り込んだ後、Skyrora XLをデビューさせる予定だ。

SkyroraのCEOのVolodymyr Levykinは、「複数回のテスト打ち上げを通じ、テクノロジーの完成度を高めていく」と述べた。「新型燃料のEcoseneの燃焼テストを成功させたことは、非常に意義深い。この燃料は宇宙開発分野に転換点をもたらすポテンシャルを秘めている」と彼は続けた。

編集=上田裕資

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