新型コロナウイルスに関する10の偽情報、「陰謀説」も

ニューヨークでも通行者が予防のためマスクを着用する姿が見られた(1月30日)(Photo by Tayfun Coskun/Anadolu Agency via Getty Images)


4. 感染拡大を抑えるワクチンがある

ワクチンの開発は非常に難しく、時間とお金、そして“本物の”科学が必要となる。まずは問題を引き起こしているウイルスや細菌を見つけ出し、次に有効なワクチン製造方法を特定しなけなければならない。そして、できたワクチンは厳格な安全性試験に合格しなければならない。

5. 予防・治療の方法がある


健康に関連する問題が起きると、特定のサプリメントやその他の“自然薬品”が効果的だと言う人が必ず現れる。だが、効果を科学的に証明する必要がないのであれば、誰でも何でも言うことができる。

現時点では、新型コロナウイルスに感染した場合の治療薬はない。感染を防ぐための最善の方法は、頻繁に、よく手を洗うことだ。また、何であれ感染症にかかっている人との接触をなるべく避けることだ。

6. 発熱・咳の症状があれば感染している


医療関係者の間ではよく、「ひづめの音が聞こえたら、シマウマではなくウマのことを考えろ」と言われる。発熱や呼吸器症状がある場合、まずは(新型コロナウイルスなどよりも)上気道疾患や呼吸器疾患のようなごく一般的な病気の可能性を疑ってみるべきだということだ。

7. 特定の人や行動への罰


「HIV/エイズの感染が拡大したときもそうだったように、健康に関連する問題が起きると、人はいつでも特定の誰かを非難しようとする」とハルパリン学長は指摘する。

「HIVのときは“4H”(ホモセクシュアル、血友病患者:hemophiliacs、ヘロイン依存症患者、ハイチ出身者)が原因だと非難された。現在は中国人が同じように非難されている」

仮に“道徳的に誤った”行動を理由に特定の人を罰するための病気があるというなら、「腐敗政治家熱」や「多額横領象皮病」などがあってもいいことになる。

8. 中華料理・中国製品から感染する


たとえば中国で加工され、米国向けに出荷されたマグロなどの食品は、おそらくウイルスが死滅する温度まで加熱された後に、包装・梱包されているはずだ。

9. 中国出身者・東アジア系の人を避けるべき


そうすべき科学的な根拠はない。ウイルスはマッチング・アプリのユーザーとは異なり、人種や人の外見を選ばない。免疫がなく、たまたま感染する距離にいた人に感染するだけだ。

10. 感染拡大はウソ


そのようなうそを広めるために、WHOは世界各国から科学者や専門家、関係組織、政府関係者を集めて対策を協議したというのだろうか? 誤った情報を広めたい人たちは、常に存在する。ナンセンスな主張に対する免疫力を高めることが重要だ。

前出のフートは「最大の敵の一つはパニックと恐怖だ」として、次のように述べている。

「デマによるパニックが起こらないようにすると同時に、人々が本当のリスクを理解し、適切な行動を取れるようにすることが非常に重要だ」

編集=木内涼子

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