きゃりーぱみゅぱみゅ、クリエイターの一面。前例のない香水を開発するまでの舞台裏

新國 翔大

──「金木犀の香水」をプロデュースするにあたり、具現化する手段に「Makuake(マクアケ)」を利用された経緯をお聞かせください。

先日、Twitterで香水をプロデュースする旨を投稿したところ、「楽しみです!」「待ってます!」といった声をたくさんいただきました。やはり、金木犀の香りがする香水をほしい人は少なくないんです。


アーティストとファンの距離がどんどん近くなっている時代において、商品を心待ちにしているファンの方の応援を受けながら、商品を作れる「Makuake」は今回のプロジェクトに合っていると感じました。



きゃりーぱみゅぱみゅは、“ナシ”を“アリ”に変える魔法使い


──芸能人の方がビジネスを手がけると、「芸能活動だけに専念していればいい」といった論調が聞こえてくることも少なくありません。きゃりーさんはその点について、どのようなお考えがありますか。

すごくよく分かります。少し前ですが、ちょっと黒髪にしただけで「路線変更」だとか「芸能界引退」などと囁かれました(笑)。でも芸能人に限らず、時間が経てば考え方も変わりますよね。私もみなさんと同じように、その都度、自分がやりたいと思ったことに忠実に生きているだけなんです。

ただ、世の中の動きを完全に無視するべきだとは思いません。私たちのように、ファンのみなさんがいて成り立つ仕事をしているのであれば、自分がやりたいことと世間から求められていることのバランスを取る力と、タイミングを見計らう力が必要だと思います。本業がおろそかになってしまっては、応援してくれているファンのみなさんに失礼だと思うので。

──バランスとタイミングが重要だと。近年はアーティストやアスリートなど、畑違いの領域からビジネスに挑戦する人が増えているようにも感じます。きゃりーさんにも、そうした意識はありますか。

「“ナシ”なものを“アリ”に変えたい」という想いが私の根底にずっとあって、その想いでMVや衣装、ライブの世界観を作って発信して来ました。普通だったら“ナシ”なものも、私がやる事で“アリ”に出来る。

同様に、今回商品をプロデュースするときも「ないなら自分でつくればいい」という意識があります。

……とはいえ、芸能人じゃなかったらきっと、「こういう商品があればなあ」と思うだけでかもしれません。ただ今は、「もしかしたら自分と同じ疑問や悩みを抱えている人がいるかもしれない。誰かの役に立つために、芸能人という立場と発信力を活用しなくちゃ」という、一種の使命感があります。

最近では、Twitterで「まな板はどの商品がオススメですか」とか「とんかつはヒレとロース、どちらが好きですか」と、他愛もないことを呟くこともしています。そんな何気ない日常をファンのみなさんと共有することで、一人では気が付かなかった事に気が付ける事もあります。
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文=倉益璃子 写真=小田駿一 レタッチャー : Shinji Uezumi(ADUMS)

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