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世界が直面する課題の解決方法


ムハマド・ユヌス教授とベネズエラ危機


ムハマド・ユヌス教授と同氏が設立したグラミン銀行は、人々を(極度の)貧困から救済するプロセスを提供していますが、これは個人による起業や、実務教育を受けて個人で資金調達するよりも効果的なのです。

近年、ベネズエラの経済崩壊を受け、国連の推計では人口の7%とされる230万人が母国を脱出し、その大半は隣国であるコロンビアに向かいました。コロンビアに滞在するベネズエラ人の総数が2021年には400万人にもなると予測されていることを考えると、食・住に加えて、他の面でも相当のケアを必要としている移民の、経済的な自立を促す解決案はどのようなものでしょうか。

この分野の統合と経済発展において、イノベーション、そして従来とは異なる思考が必要であるという衝撃的な事実が明らかになってきました。たとえば、630万人のシリア難民、240万人の南スーダン難民、および230万人のベネズエラ移民の相互関係は、彼らが有用な技能を持つ人々で、経済的に統合される必要があるという事実です。

強制避難民は推定7億8百万人


2017年の時点で、国連の難民機関である国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のグローバル・トレンズ・レポート(年間統計報告書)には、推定7億8百万人の強制避難民が記録されており、私たちの解決策をもっと速いペースで、より多くの人に届けなければならないということを示しています。2009年から2018年までの避難民の数の推移は、以下のグラフで見ることができます。


UNHCRの年間統計報告書2018(UNHCR)

適用可能な難民と移民の環境において、マイクロクレジットとビジネスの組み合わせを実施することで、UNHCRや国際移住機関(IOM)、政府などの難民・移民を支援する組織の資金的負担を軽減することが期待できます。

世界中で避難民が大幅に増加しているため、難民キャンプ、技能訓練、少数の難民を対象とした小規模なドナー資金の提供、長期滞在者や永住者を対象とした移民対策といった、現在主力となっている方法は、もはや最も効果的な方策とは言えなくなってきています。

この「新しい」アプローチは、グラミン銀行、RIO(難民統合組織)、キヴァ、ウィンドミル・マイクロレンディング社などによって既に試行されています。これを飛躍的に拡大したスケールで実施することは、車輪を再発明するのではなく、すでに成功を収めている解決策の規模を拡大することになるのです。

(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)

連載:世界が直面する課題の解決方法
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文=Rya G. Kuewor, Executive Director, RIO

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