京都の寺社で前代未聞の音楽プロジェクト「SOUND TRIP」始動、コムアイらが制作

貴船神社の音楽を制作したコムアイ(水曜日のカンパネラ)

SpotifyやApple Musicといった音楽ストリーミング配信サービスの普及によって、いつでも、どこでも好きな音楽を聞ける時代になった。そうした時代において、“特定の場所”でしか聞けない音楽があったとしたら、興味が湧かないだろうか?

今日から京都でユニークな取り組みがスタートした。トラベルオーディオガイド「ON THE TRIP(オンザトリップ)」を手がける、on the tripは2月6日、アーティストがその地にまつわる音を使い、そこでしか体験できない“物語のある音楽”をつくるアートプロジェクト「SOUND TRIP(サウンドトリップ)」を開始する、と発表した。



SOUND TRIPは京都のお寺や神社と提携し、それぞれその寺社で流れる水の音や鳥の鳴き声、声明などを収録。その音を使いながら、そこに行かなければ聴けない音楽体験を制作する、という取り組み。訪れる参拝者は、指定の場所で体験料(300円)を支払うことで、お寺や神社でしか聴けない音楽を聴くことができる。

まず、第1弾の音楽としてリリースされたのが壬生寺、貴船神社、三千院の3つ。壬生寺の音楽は、ベルリン在住で電子音楽を制作するKyokaが、水が生まれる地である壬生寺(水生寺)の地下から湧き出る水の音とお囃子(はやし)を電子音楽と組み合わせて制作。

貴船神社の音楽は、コムアイ(水曜日のカンパネラ)とオオルタイチが、二人でユニットを組み、貴船神社に祀られる竜神からインスピレーションを受けて制作した。そして三千院の音楽は、フィールドレコーディングで有名なYosi Horikawaが三千院が発祥の声明を収録し、さらに自然豊かな大原の山の音、鳥の鳴き声などを採集し極楽浄土の音を再現したという。


壬生寺の音楽を制作したKyoka

今回の3つのお寺や神社に続き、現在京都にある10社寺と連携を進めており、第2弾は、2020年3月頃にリリース予定とのこと。 
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文=新國翔大 写真=ON THE TRIP提供

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