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2020.02.05 06:30

【3分で解説】メルカリとドコモ、両社の提携がもたらす「5つの相乗効果」とは

提携を発表したメルカリの山田進太郎社長とNTTドコモ・吉澤和弘社長

提携を発表したメルカリの山田進太郎社長とNTTドコモ・吉澤和弘社長

メルカリ、メルペイ、NTTドコモの3社は2月4日、キャッシュレス推進や新規事業などで業務提携をすることを発表した。ユーザーIDの連携やコード決済のメルペイとd払いの共通化に加え、さらなるFinTechサービスなどの新規事業開発も検討する。

メルカリはフリマアプリとして年間流通総額4902億円、月間利用者数1450万人を抱える。ドコモは携帯電話の契約者とは別に、共通ポイントの「dポイント」を提供しており、会員数は7345万ユーザーに達している。さらにメルカリは子会社のメルペイがコード決済サービスを提供し、利用者数は600万。ドコモもコード決済の「d払い」があり、2200万ユーザーとなっている。


ドコモのdポイントのユーザー基盤


メルカリのユーザー基盤

両社にはこうした顧客基盤があり、特に2019年に入ってからは、ドコモショップ106店舗で主にシニア向けにメルカリの使い方などを説明する「メルカリ教室」を開催。さらにメルカリの発送用の梱包資材を備えた梱包・発送コーナー「つつメルすぽっと」を設置するなどの連携をしてきた。

そうした流れの中で、両社はさらなる協業に向けての話し合いを進めて、今回の発表に至った。メルカリの山田進太郎社長は「この関係性を拡大し、さらなる成長に向けた連携を強化したいと業務提携に至った」と説明。今回の提携では、5つの取り組みを実施していく計画だ。


提携による5つの取り組み

まずはメルカリIDとdアカウントを連携させることで、顧客基盤を拡大する。単純に足し合わせると利用者数としては9000万に近い規模となり、さらにメルカリの年間流通額約5000億円と、dポイントのポイント利用額の年間2000億ポイントを合わせると、年間7000億円という「国内最大規模」(山田社長)の経済規模になる。


両社のアカウントを連携、どちらのサービスも相互に利用可能にする

2点目がメルカリの取引でdポイントが貯まったり使えたりするようにする。今までメルカリではドコモのキャリア決済は使えたが、新たにメルカリの取引100円ごとにdポイント1ポイントが貯まるようになり、1ポイント1円でメルカリの取引に使えるようになる。

3点目は、これまで限定店舗で実施してきたメルカリ教室を、全国のドコモショップ2300店に拡大する。従来のメルカリ教室は「非常に好評だった」(ドコモ・吉澤和弘社長)ため、規模を拡大することでシニア層に強いドコモの顧客層をメルカリに取り込むことを狙う。

4点目がコード決済のメルペイとd払いの連携だ。メルペイはiD対応店を合わせると170万カ所、d払いは136万カ所で決済が行える。メルペイはさらに、全国の信用金庫と連携して加盟店を拡大するOrigami Payとの統合を控えており、中小個店にも積極的に加盟店を拡大している。


メルペイとd払いの加盟店を共通化する
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文・写真=小山安博

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