一流の営業が知っている「絶対にすべらないアイスブレイク」とは?

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では、具体的にこの構造をご説明します。

枕詞:クスッと笑える話のタイトルを付ける。注意点は、「面白い話があるんですが」など自らハードルが上がってしまうようなことを言わないこと。

ディテール(フリ):登場人物が具体的にどんな人物なのかイメージできるようにする。注意点は、余計な印象がついてしまうことを言わないこと。

オチ:登場人物のイメージとは正反対のことをもってくる。注意点は、悪口になるような単語を使うと相手が笑いにくくなること。

2度目オチ:1度目のオチで笑いが少ない時のためにもう一つ用意しておく。注意点は、ツッコミ的な言葉の方が笑いが起こりやすいこと。

特に一流の芸人さんが秀逸なのは、「1度目のオチ」だけではなく「2度目のオチ」まで用意し、そもそもすべりにくい構造として話を組んでいるところにあります。

「そもそもすべりにくい構造」とはどういうものか。同じ話を少し変えて2つのパターンでご紹介しましょう。「こする」についてもご確認いただけると思います。

【トーク例 1】

枕詞:体重160キロの先輩の話なんですが
ディテール(フリ):本当に大きいので駅で階段を上っているだけで
オチ:ヨボヨボのおばあちゃんに「上手に上れたね」と褒められるんです。
2度目のオチ:「あなたにだけには言われたくないよ」と思ったらしいです。

【トーク例 2】

枕詞:体重160キロの先輩の話なんですが
ディテール(フリ):ちょうど電車の座席2席分の体格なんです。本当に大きいので駅で階段を上っているだけで
オチ:ヨボヨボのおばあちゃんに「上手に上れたね」と褒められるくらい体が大きいんです。
2度目のオチ:座席も2席分占領してしまうので、マナーとして電車のチケット2枚買ってるんですよね。

ディテール(フリ)→オチで使用されている言葉が少しずつ違うのがご理解いただけますでしょうか。お笑い芸人の方々の中には、トークをしながら相手の反応を見てオチを変化させる人もいます。何パターンか考えておくことも重要です。

また、お笑い芸人は各人の特徴(キャラクター)によって、ディテール(フリ)やオチに当てはめる言葉が異なります。効果音を多く入れて話をするお笑い芸人などをイメージするとわかりやすいと思います。

完全に真似をするところから始める


ぜひ、この構造に普段自分が話しているアイスブレイクを入れて、作り直してみてください。今までとは一味も二味も違うトークが完成します。

ところで、「枕詞」「ディテール」「オチ」などの項目がある中で、どこから作り始めるのがいいのでしょうか? 答えは「オチ」です。

何か普段の中で、面白そうなことがあった場合、結果をみて面白いと思います。その結果=オチをより面白くするために、「ディテール」や「枕詞」をこすることが重要なのです。

また、すぐに面白い話を作れるようになりたい欲張りな方のためにお伝えします。できるだけ早く面白くなりたい方は、以下の2つを実践することで飛躍的に成果が出ます。

1つ目は、お笑い芸人の方が話しているトークを文字として書き起こすことです。書き起こすことで、何が「ディテール」で、何が「オチ」なのか「見える化」することができます。

2つ目は、お笑い芸人の方が話している話を完全に真似をすることです。営業でも売れている人の話を完全に真似ることで営業成績が上がることがあります。それと同様にトークの間なども真似してみて下さい。

この2つを実践するだけで飛躍的に面白く、さらにはトーク自体のレベルが上がります。

手前味噌ですが、アイスブレイクを作る弊社の研修を受講した会社様では、研修を受講した営業100名と受講していない営業100名で成約率に9.8ポイントの差が出たほどです。

それほどまでにアイスブレイクは効果的だということ。ビジネスに取り入れないのはもったいないですよ!


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連載:「笑いのコンサルタント」が教える最強のコメディケーション術
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文=中北朋宏

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