世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

アマゾンCEO ジェフ・ベゾス

「アマゾン・ドット・コム」創業者でCEOのジェフ・ベゾス。彼は世界一の富豪としても知られる。

アマゾンは1995年の創業以降、世界中に物流センターやカスタマーサービスセンターをおき、著しく成長してきた。ここでは、ベゾスとアマゾンの歴史を振り返る。

アマゾン創業者ジェフ・ベゾスとは


ジェフ・ベゾスは1964年1月12日、ニューメキシコ州のアルバカーキ生まれ。幼少期は科学が好きで、機械や発明に興味を持つ少年だったという。1986年にプリンストン大学を主席で卒業後、金融決済システムのベンチャー企業「Fitel」へ就職した。

その後、90年にニューヨークの大手ヘッジファンド「D.E. Shaw」へ転職。そこで着々とキャリアを積み、わずか4年で上級副社長という重役に就いた。

ベゾスがアマゾンを創業するまで


アマゾン構想のきっかけは、D.E. Shaw創業者のデビッド・ショーが、ベゾスにインターネットでのビジネスについて調査させたことだった。この調査でインターネットが驚異的なペースで普及していることを知り、インターネット販売に適した商品として書籍を検討するようになった。

本の流通業界には大手がなかったこともあり、ベゾスは書籍のインターネット販売業で起業することを決意。D.E. Shawを退社した。


1994年アマゾンの前身カタブラドットコム設立


ベゾスは開業にあたり投資家たちに出資を募ったが、多くの人が「アマゾンは失敗する可能性が7割」と警告し、資本金を集めるのに苦労した。当時、約30万ドルの出資をしたのは両親だった。

その後、ベゾスはシアトルに移り住み、94年に自宅のガレージでアマゾンの前身である「Cadabra.com(カタブラドットコム)」を開業した。

「カタブラ」は魔法の呪文として使われる「アブラカタブラ」に由来しているが、「cadaver(死体)」と聞き間違えられることがあり、創業から約4ヶ月後には、世界三大河川のアマゾン川から着想を得た、アマゾン・ドット・コムに変更した。

1997年ナスダック上場


アマゾンをローンチしてから最初の1ヶ月で、アメリカの全州と45カ国で書籍を販売。スタートから順調に成長を続け、設立から3年後の97年にナスダックへ上場し、株式を公開した。

2003年マーケットプレイスをスタート


アマゾンのスタートダッシュは目を見張るものがあったが、01年のITバブル崩壊の時期は他の企業と同様に打撃を受けた。株価は上場後の初値18ドルを大きく下回り、1株あたり6ドル以下まで下落。

人材流出も相次ぎ、苦悩の日々が続いたが、03年に見事に起死回生。そのきっかけが「マーケットプレイス」だった。マーケットプレイスは、他の小売業者がアマゾンのプラットフォームを利用して出品・販売できるシステム。それを導入したことで、アマゾンはアメリカのeコマース市場でシェア率4割以上を占めるサービスとなった。

2005年アマゾンプライムを開始


05年には、会員向けに無料配送を提供するサービス「アマゾンプライム」をスタート。当初は「無料配送をして採算が取れるわけがない」と、世間からは冷ややかな目で見られていたが、eコマースのデメリットだった「配送料によって高くつく」という概念を払拭。顧客の購買欲をかき立て、アマゾンの成長を大きく後押しすることになった。

2006年AWSを開始


アマゾンプライムを開始した翌年には、アマゾンウェブサービス「AWS」をスタート。AWSはインターネットを経由してサーバーやデータベースなどを必要な時に必要な分だけ利用することができるサービス。中小企業から大企業まで、多くの組織で利用されている。

2007年キンドルの販売開始


「キンドル」は紙の書籍に替わる新たな媒体として、販売開始からすぐに売り切れるほど圧倒的な人気を博した。電子書籍に批判的な声も少なくなかったが、改良を重ね、09年には「KindleDX(キンドルデラックス)」を発表し、売上を伸ばしている。

2015年アメリカでアマゾンエコーを発売


音声認識技術「アレクサ」を搭載した「アマゾンエコー」をアメリカで発売。マウスやキーボードが不要で音声で利用できるので、ITに慣れ親しんでいる層だけでなく、高齢者や主婦層など幅広い世代に受け入れられ、一気にシェアを拡大した。

ジェフ・ベゾスが考えるアマゾンの成功と、これから


アマゾンは「地球上で最もお客様を大切にする企業」をコンセプトにサービスを展開してきた。クリック状況やカスタマーサービスによる顧客とのやり取りなどから嗜好を分析、ニーズの変化を素早く察知しながら、事業を拡大してきた。

また、これまでロボットや3D印刷のマーケットなど、テクノロジーの分野に注力をして投資をしてきた。今後は、19年に発表した新型の小型無人機「ドローン」を使った配送サービスや、宇宙事業にも力を入れていくと考えられている。

文=池原裕美 写真=gettyimages

PICK UP

あなたにおすすめ

合わせて読みたい