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アップルは昨年11月に動画ストリーミングサービス「Apple TV+」を立ち上げ、同社のデバイスを新規で購入したユーザーに、特典として1年間の無料トライアルを提供している。しかし、この特典の利用者が1000万人以下に留まり、競合の「Disney+」が1日で獲得した会員数にも届いていない事が、投資会社サンフォード・C・バーンスタインのレポートで指摘された。

Apple TV+はハリウッドの大物を起用したオリジナルドラマが売りで、ジェニファー・アニストンとリース・ウィザースプーンらがダブル主演の「ザ・モーニングショー」をはじめ、「SEE ~暗闇の世界~」「フォー・オール・マンカインド」などの話題作が目白押しだ。

しかし、テック業界の著名アナリストのToni Sacconaghiの分析によると、Apple TV+の1年間無料トライアルに申し込んだ顧客の割合は、特典を利用可能な顧客の10%以下だという。これは、驚くほど低い数値と言わざるを得ない。

アップルは新規でiPhoneやiPad、MacやApple TVのセットトップボックスを購入した顧客らに、特典として無料トライアルを提供中だ。Sacconaghiは昨年のホリデーシーズンの四半期に、これらのデバイスが合計約9000万台売れたと分析している。

利用者の伸び悩みの原因として、Sacconaghiは3つの理由をあげている。まず一つ目が、アップルがApple TV+の魅力を顧客にうまくアピールできていない可能性だ。同社は昨年後半に相次いで新規のデバイスやサービスを始動したため、Apple TV+が埋もれてしまった可能性がある。

もう一つは、アップルがApple TV+の無料トライアルのプロモーションを、意図的に抑えている可能性だ。Sacconaghiはアップルが動画ストリーミングの売上を確保するため、あえて無料特典を積極的にアピールしていないのかもしれないと述べている。

そして3点目にあげられたのが、Apple TV+の作品数の少なさだ。「ディズニーのDisney+は豊富なタイトル数によって、わずか1日で1000万人の有料会員を獲得した。それと同規模のユーザーベースを構築するのに、アップルは2カ月を要したことになる」とSacconaghiは分析した。

ただし、Sacconaghiはアップルの動画ストリーミングが失敗に終わったとは述べていない。「現状の加入率は低いものの、Apple TV+が今後1年ほどで急速に利用者数を拡大させる可能性はある」と彼は続けた。

Disney+に追いつくためにはかなりの時間が必要かもしれないが、アップルはコンテンツの拡充に向けた動きを進めている。1月3日、アップルはHBOの元CEOのリチャード・プレプラーとApple TV+のコンテンツ制作で5年間の独占契約を締結した。プレプラーは、「ゲーム・オブ・スローンズ」の爆発的ヒットにより、HBOの有料チャンネル部門を飛躍的に成長させたことで知られている。

編集=上田裕資

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