買取原価率が20%であるということは粗利率が80%もあるので、C2Cの個人間売買が入るインパクトが大きいです。一方で、ここの粗利が小さくなれば、個人間売買のインパクトは少なくなります。ましてや高単価商材であったり、専門的な商材であればトラブルのリスクも高くなります。
この領域こそが本来のリユース業者の得意分野であり、リユース企業の一丁目一番地の聖域であるといえます。ブックオフがV字回復したと言われていますが、左下のC2Cが得意な領域から、右上下のC2Bが本来得意な領域に移行してきているからと言えます。
図5 商品別マトリクスとブックオフの移行(リフォーム産業新聞社「リサイクル通信」を基に筆者作成)
2次流通の業界は、世界的に見ても、VintedやStockXなど、ユニコーン企業が登場してきました。世の中のニーズは総合リユースから、バーティカルリユースに流れていくことでしょう。日本にはリユース品が37兆円以上眠っていると言われています(※4)。一方でおよそ6割の人がまだ物を売っていません(※5)。不要になったものを1人でも多くの人が売れる循環型社会を実現する為にも、それぞれの売りたいニーズに合わせた売却インフラを構築することが重要です。
REFERENCES
(※1)リフォーム産業新聞社(2019), リサイクル通信
(※2)リフォーム産業新聞社(2017), リサイクル通信
(※3)リフォーム産業新聞社(2018), 中古市場データブック2018
(※4)ニッセイ基礎研究所(2018), みんなのかくれ資産調査委員会
(※5)環境省(2019), 平成30年度 リユース市場規模調査 報告書
連載:リユースと学術と起業家な僕
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