経済・社会

2020.02.03 11:40

米民主党予備選、注目すべき化石燃料をめぐる候補者の姿勢


予備選候補者のひとりエイミー・クロブシャー上院議員は、選出されたら、現在許可されているフラッキングすべてについて「再検討する」と述べた。一方、同じく立候補している上院議員のバーニー・サンダースやエリザベス・ウォーレンは、フラッキングを完全廃止すると訴えている。サンダースはそれどころか、石油会社ならびにガス会社幹部を刑事告訴することに賛成だと発言した。

石油を生産する複数の州が最初に予備選投票日を迎えるのは3月3日。10以上の州で同時に予備選挙が行われるスーパーチューズデーだ。石油生産州としては、オクラホマ州とテキサス州がこの日に投票を行う。しかし民主党は、本選ではそれらの州での負けをほぼ確実視しているので、強硬姿勢を維持したまま臨んでも問題ないのかもしれない。

石油を生産し、共和党が根強い支持を集めている州はほかに、ノースダコタ州(投票日は3月10日)や、アラスカ州とワイオミング州(投票日はともに4月4日)がある。

スーパーチューズデーでは、コロラド州でも予備選の投票が行われる。強固なリベラル派で環境保護主義者の多い同州に助けてもらえるのではないかと、民主党の候補者たちは期待しているかもしれない。そうした人々のおかげで、クリントンは2016年大統領選で同州を制することができた。

だが、興味深いのは3月17日。本選のカギを握るオハイオ州の予備選投票日だ。民主党の候補者たちは、愚かな、あるいはかたくなな選挙活動を繰り広げて、クリントンの過ちを繰り返すことになるだろうか。

それ以外の州の投票日としては、ペンシルベニア州が4月28日、ウェストバージニア州が5月12日、ケンタッキー州が5月19日となっている。

民主党の候補者たちは3月第1週目に、化石燃料業界が力を持つ激戦州での選挙活動に入る。 そのときわれわれは、指名争いの開始直後に候補者たちがアピールした強硬政策が固持されるかどうかを知るだろう。あるいは、対話集会で炭鉱労働者やフラッキング従事者を前にしたら、彼らの意思は揺らぐだろうか。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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