ウェイモのロボタクシーを配送に転用
UPSとウェイモの共同プロジェクトも非常にユニークだ。ウェイモは、アリゾナ州チャンドラーで展開しているロボットタクシーに使用しているハイブリッドミニバン「パシフィカ」の後部座席を取り外し、積載スペースを拡大した。
自動運転車は、近隣のUPS店舗からフェニックスにある物流センターまで荷物を運び、事故を防ぐために人間のドライバーが乗車するという。両社は、自動運転技術の導入によって顧客サービスやネットワーク効率が向上するか検証する予定だ。
「荷物を仕分け施設までより迅速に、より頻繁に運ぶことで集荷時間が遅くても翌日配送できるようになれば、顧客への提供価値は格段に向上する」とUPSのチーフ・ストラテジー・オフィサーであるScott Priceは話す。
ウェイモとUPSは長期的な協業を検討しているという。UPSは昨年、自動運転トラックのスタートアップ「TuSimple」に出資し、アリゾナ州の高速道路で長距離走行のテストを行っている。
ウェイモは、これまでチャンドラーを拠点に展開するロボットタクシー事業に重点を置いてきた。しかし、同社のCEOであるジョン・クラフチックは、今後は自動運転トラックや配達車両にも注力するとしている。同社は先週、パシフィカと長距離セミトレーラーのテストを、現在のアリゾナ州からテキサスとニューメキシコに拡大した。
「この地域は、商業ルートとして非常に大きな可能性を秘めている。我々の車両を使って、どのような輸送ソリューションを新たに提供できるか検証したい」とクラフチックは語った。