環境意識の高い女性が選ぶ「かぎ針編みタンポン」のリスク

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原因とみられた商品がリコールされたことで、その後の症例数は減少した。だが、同じタンポンを8時間以上使用しないことや、吸水性のレベルが経血の量に適した商品を使うことに注意が必要な点などは、今も変わっていない。つまり、TSSは残念ながら、過去の問題にはなっていない。今年1月中旬にも、ベルギーの10代の女性がこの症候群で死亡している。

かぎ針編みのタンポンを取り扱っているECサイトはいくつかある。ハンドメイドの商品が売買されているEtsy(エッツィ)もその一つだ。同サイトの運営会社は今のところ、販売に関するポリシーにおいて、健康に害を及ぼす危険性がある商品について何も言及していない。

ガンター医師はECサイトでのこうした商品の販売について、運営会社は「試験が行われていない、危険を及ぼす可能性がある商品から利益を得ている」と述べ、販売に関する方針を再検討すべきだと訴えている。

環境と体に良い代替品は?


ただ、使い捨ての生理用品が環境に与える影響を懸念し、より環境にやさしく、安価で、再利用が可能な代替品を求める女性が多いことも事実だ。こうした人たちにとって、より安全といえる選択肢はあるのだろうか? ガンター医師によれば、次の2種類が考えられる。

「洗濯して繰り返し使える布ナプキンは、吸水性が保たれる限りは安全といえる。使用によってムレることもない」

「もう一つは、シリコンや熱可塑性エラストマー、またはラテックスで作られていることが多い月経カップ。ただし、タンポンより危険性は低いものの、やはりTSSへの注意が必要だ」

編集=木内涼子

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