ビジネス

2020.02.03

立ち上げから2年、いまheyがサービスブランド統合に打って出たワケ

hey代表取締役社長の佐藤裕介




「資本力のある大企業」しかできない世界はフェアじゃない


すでにナイキやアップルはそんな世界を実現しています。

例えば、ナイキはデジタルコンテンツを売っていれば、靴やアパレルも売っているし、イベントもやっている。いろんな商品をオンライン、オフラインを問わずに販売しているんです。それはアップルも同じで、AppStoreの商品在庫はオンラインとオフライン共通でシームレスに効率よく管理しています。

多くの人は「資本力があり、未来が見えている会社が多額の投資をしているからこそ実現できる」と思うかもしれないですが、こういった世界を実現したい思いはビジネス規模感は違えど個人やスモールビジネスの人たちも同じで。やった方が絶対に面白いと思っているけど、できない状況にある。それはフェアじゃないと思うので、個人やスモールビジネスの人たちがやりたいことを実現できるようにする仕組みの提供はとても意味があるものだと思っています。

今回、僕らがコアターゲットとしている個人やスモールビジネスのみなさんが当たり前にやりたいことが実現するお店を「デジタルストア」と呼ぶことにしました。これは“EC”という意味ではなく、デジタルネイティブな人たちがお店をつくると、オンライン・オフラインの区別や商品フォーマットの区別がなくなる、という意味のもとに名付けました。

今後はデジタルストアを労力なく安価につくれて、マネジメントできるような仕組みをプロダクトとしても提供していきたい。サービスブランドの統合にはそんな意気込みも含まれています。僕らのお客さんは30〜40代の方が多いのですが、そういう人たちはネットネイティブなので、デジタルで何かやることに対して自然。それにも関わらずオンラインとオフラインを行き来するのが難しいのはおかしい。

僕たちも突飛なことをしても仕方がないので、当たり前のようにやりたいことを妨げるハードルをなくしていってあげる方がいい。斬新なことをやってもニーズがなければ意味がないので(笑)。

今までは黒子であることが大事で、主役はあくまでオーナーやブランド、加盟店なので目立たないようにしてきました。今も黒子である意識は変わらないですが、僕たちは僕たちで目指す世界がある。縁の下の力持ちではなく、横並びの関係になり、一緒に伴走していける存在になれたら、と思っています。

文=新國翔大 人物写真=小田駿一

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