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新聞業界の危機を示すニュースがまた報じられた。ウォーレン・バフェット率いる投資会社、バークシャー・ハサウェイは1月29日、傘下に置いていたBHメディアと同社が発行する日刊紙30紙を「リー・エンタープライゼズ」に1億4000万ドル(約152億円)で売却すると発表した。

リー社は2018年からバークシャーの新聞事業を運営しており、バフェットは同社が理想的な売却先であると述べた。「新聞業界が困難に直面する中で、リー社は優位なポジションで事業を継続できる」と彼は声明で語った。

自らを「新聞中毒」と呼ぶバフェットは、2012年頃に総額3億4400万ドルで28の日刊紙を買収していた。今回の売却額は、当時支払った金額を約2億ドル下回ることになる。売却にともない、バークシャーはリー社に年利9%で5億7600万ドルを融資した。

リー社は今後、20以上の州で81の新聞を運営していくことになる。

投資家たちは今回のディールを歓迎した模様だ。リー社の株価は過去5年で70%以上下落していたが、29日に67%の急騰を記録した。

しかし、株主にとって嬉しいニュースは新聞にとって悪い報せでもある。調査企業Huber Research Partnersのアナリスト、Doug Arthurはバークシャーがリー社に課す、年利9%の金利が重荷となると指摘する。

以前から膨大な負債に苦しんできたリー社は、今後もリストラなどでコスト削減を進め、バークシャーへの支払いを行わねばならない。フォーブスはリー社とバークシャーにコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。

「今回のディールは死刑執行が当面の間、先送りされたようなものだ」と、Arthurは述べた。

しかし、そのわずか数時間後にまた悪い報せが飛び込んできた。新聞業界を死に追い込むヘッジファンドとして知られる「オルデン・グローバル・キャピタル」傘下のデジタル・ファースト・メディアが、リー社の株式の5.9%を取得したのだ。

オルデンの投資手法は新聞記者を不利な立場に追い込むことで知られている。情け容赦ない人員削減を進め、浮いたコストを投資家らに還元するのだ。オルデンに経営権を握られたデンバーポストでは、過酷なリストラに抗議する記者たちが反乱を起こした。

最近でも、シカゴ・トリビューンの記者がオルデンが同紙の支配権を握ったことに反発する声をあげている。

「新聞ビジネスは悪循環に陥っている」とArthurは話す。「コンテンツの質を高めない限り、デジタル版の購読者数は伸ばせない。コスト削減のためにリストラを続ければ、コンテンツの質は保てない」

バフェットは先日も新聞業界の厳しい見通しを述べていた。「新聞は独占からフランチャイズ化に向かい、激しい競争の結果、深刻なトラブルに陥っている」と彼は述べ、「生き残るのは数社の全国紙のみになるだろう」と指摘した。

ネブラスカ州オマハ本拠の新聞、オマハ・ワールド・ヘラルドの労組はツイッターで、「バフェットが売却を決めたことは、不意打ちだった。非常に恐ろしい事になった」と述べた。

編集=上田裕資

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