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2020.01.30

【1月第2週資金調達まとめ】人工合成クモ糸を開発のSpiber、10億円を資金調達

国内の成長産業及びスタートアップに関する幅広い情報を集約・整理し、検索可能にした情報プラットフォーム「Startup DB」では毎週、資金調達のサマリーを発表している。この記事では、1月に2週目の“注目のトピック”として選ばれた5件の資金調達について紹介する。


Spiber



調達額:約10億円
調達先:荏原製作所

同社はNASAも諦めたとされる人工合成クモ糸こと「クモノス(QMONOS)」の開発で世界の注目を集めるスタートアップ。2007年9月、神奈川県にて設立。その後、2008年6月に慶應義塾大学先端生命科学研究所のある山形県鶴岡市に移転。

リリース当時ポリエステル以来の大革命と言われたクモノスは組み替えた蜘蛛の遺伝子からなる合成タンパク質を発酵、高分子合成する。米国の軍事研究機関である米国国防研究計画局(DARPA)も巨額の資金を投じる夢のテクノロジーだ。

通常のプラスチックや合成繊維はそれぞれ製造するプロセスや工場は全く異なるが、原料になる遺伝子組み換えしたタンパク質を変えるだけで、ひとつの工場で多彩な性質を持った合成繊維やプラスチックを作れることが最大の特徴だ。原理的には特定の動物の獣毛やキバの合成タンパク質を使えば、それらと似たような性質を持つプラスチックや繊維を製造できるとされている。

LINK-US



調達額:約11億円
調達先:INCJ / SMBCベンチャーキャピタル / みずほキャピタル / 三菱UFJキャピタル / 静岡キャピタル

工業用途の超音波複合振動接合装置を開発・製造するするスタートアップ。神奈川大学名誉教授の辻野次郎丸博士が発明した技術だ。
同社が開発する超音波複合振動接合装置を用いることで、従来の溶接技術で発生していた、スパッタの発生や合金層の形成などの課題を解決することができる。接合装置の量産化を実現し、複数の国内大手メーカーの製造ラインへ導入されている。既に大手バッテリーメーカーをはじめとする事業会社から量産機を受注している。

2020年1月にはシリーズBとしてNCJ、三菱UFJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、みずほキャピタル、静岡キャピタルを引受先とする総額11億円の資金調達を実施。今後は、様々な装置の開発を計画やラインアップを拡充することで適用範囲を順次拡大していく見込みだ。
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文=STARTUP DB

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