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アドテク、企業、ベンチャーキャピタルやニューヨークのベンチャー企業について執筆するスタッフライター

nesquik007 / shutterstock.com

ソフトウェア開発のプロジェクト管理ツールでは、「アトラシアン」のJiraが大きなシェアを占め、競合は数えるほどしかいない。しかし最近、ニューヨークを拠点とするエンタープライズ向けテック企業「クラブハウス(Clubhouse)」が急速に存在感を高めている。

クラブハウスは1月23日、シリーズBラウンドで2500万ドル(約27億円)を調達したと発表した。このラウンドはGreylock Partnersが主導し、既存株主のBattery VenturesとLerer Hippeauも参加した。関係筋によると、評価額は1億ドルに達したという。

「我々の事業はまだ初期段階にある。時間をかけて大企業に育て、大きな市場シェアを獲得したい」とクラブハウスの共同創業者兼CEO、Kurt Schraderは述べた。

クラブハウスの創業は2014年で、2年弱でプロダクトをリリースした。同社は、エンジニアが新機能やスタンドアローンのアプリを開発するために書いたコードを管理・共有するソフトウェアを提供している。導入企業のマネジャーは、エンジニアやチームの業務進捗を管理できる。

また、プロダクトマネジャーのような非エンジニア職も他のメンバーと連携するのにこのツールを使うことができる。クラブハウスは、10名以下のチーム向けに無料版も提供しており、5000社を超える企業で1週間に7万5000人以上が同社のツールを利用しているという。

クラブハウスの創業メンバーのKurt SchraderとAndrew Childsは、共にオンライン旅行会社に特化したアドテック企業「Intent Media」出身だ。

同社の顧客の多くはテック企業で、自動運転向けのAIのトレーニングデータを提供する「Scale AI」では、エンジニアたちがアトラシアンのJiraの一部の機能を嫌っていたという。Jiraは、ソフトウェア開発におけるバグや問題点などのトラッキングを行うツールだ。このため、プロダクトマネジャーのLeigh Marie BraswellはJiraの代替製品としてクラブハウスを採用した。

当初は75名ほどのエンジニアが利用していたが、現在では倍増しているという。「クラブハウスはとても使いやすく、プログラムのテストに最適だ」と彼女は話す。

開発者向けツールを提供する「Glitch」でエンジニアリング担当バイスプレジデントを務めるJames Turnbullも、従来「Trello」とスプレッドシートで行っていた作業をクラブハウスに置き換えたという。Trelloとは、アトラシアンが2017年に4億2500万ドルで買収した、リストやデジタルホワイトボードを使ってプロジェクト管理を可視化するツールだ。

Glitchのエンジニア数は40名ほどだが、この規模でアトラシアンのツールを使うのは理に適っていなかったという。「クラブハウスを使ってまず感じたのが、我々のワークフローを熟知したエンジニアによって開発されたツールであるということだ」とTurnbullは話す。

編集=上田裕資

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