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Brian A Jackson / shutterstock.com

多忙な企業経営者であるマーガレット・キーンは、子どもたちがまだティーンエージャーだったときには特に、忙しいスケジュールの中でも家族と過ごす時間をつくる方法を工夫しなければならなかった。特に効果的だと感じた方法は、毎日子どもたちを車で学校に送ることだ。「そうすれば、少なくとも20分は家族だけの時間が持てる」とキーンは語った。

クレジットカードなどの消費者金融サービスを提供する米シンクロニー・ファイナンシャル(Synchrony Financial)の最高経営責任者(CEO)であるキーンは、可能な限りワークライフバランスを達成するよう努力しているが、全てを完璧にできなくても自分を責めたりはしない。「これまでの経験から、ワークライフのチャレンジを毎日一つずつ取り組むこと、全てを一度に達成するよう自分自身にプレッシャーをかけないことを学んだ」

これはキーンだけではない。「常にオン」な企業風土の中で働く人(特に女性)はワークライフバランスに奮闘することが多い。しかしキーンと違い、こうした人の多くは完全な調和をとれないことで罪悪感にさいなまれる。

今では、ワークライフの「バランス」は達成不可能な目標なのかもしれないと思う人が増え、それに代わって「ワークライフインテグレーション(統合)」という概念が広まり始めている。

人材サイト「ネームリー(Namely)」のエリサ・スティールCEOは「『バランス』を取るのをやめると、解放された気分になる」と語る。「実際、常にバランスを追い求めていたときはいつも、自分がダメな人間のように感じていた。完璧なバランスなど存在しない。それが人生というもの。人生は動的で、大変で、流動的で、許しを与えてくれるものだ」

『The Five Truths about Work-Life Balance(ワークライフバランスに関する5つの真実)』(2014)の著者であるジェイ・エラードは、自分なりのバランスを定義することが、それを実現する最初のステップだと述べている。ワークライフバランスという概念は今やワークライフインテグレーションやワークライフハーモニー(調和)などの議論に発展しているが、エラードのアドバイスにはいまも価値がある。

エラードは、自分なりのバランスを定義した後の次のステップとして、「個人と組織の両方のレベルで、望まれる成果を引き出す、あるいは妨げる行動に対する意識を醸成すること」を挙げている。そのためには、家庭と職場の両方で、線引きや優先順位についての難しい話し合いが必要かもしれない。

エラードによれば、ワークライフに関する議論は最近、企業文化に関するものに変化しているという。エラードは「これは、不均衡の原因となっているものの一部に対処する上で大きな進歩だ」と述べている。

編集=遠藤宗生

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