グーグルは既に、アプリのテストを社内で進めているとThe Informationは伝えている。同社はこのサービスを、G Suiteのプロダクティビティツールの一つに位置づけようとしている模様だ。グーグルはエンタープライズ領域でマイクロソフトを競合と見据え、Office 365のMicrosoft Teamsに匹敵するサービスの実現を目指しているという。
同社はまた、業務コミュニケーション分野でスラック(Slack)のシェアを奪うことを念頭に置いている。Microsoft Teamsやスラックはボイスやビデオ通話機能を備え、その他の業務サービスとの連携も可能だ。グーグルのG Suiteはコミュニケーション面で遅れをとっているが、グーグルドライブにメッセージング機能を追加すれば、新たな企業顧客の取り込みも視野に入れられる。
しかし、グーグルのメッセージング分野への進出には課題もある。ハングアウトMeetやChatは既存のハングアウトを置き換える目的で始動したが、ハングアウトのサービスは現在も続行中だ。さらにアンドロイド向けにはビデオ通話アプリのGoogle Duoが存在し、Androidメッセージや、電話サービスのGoogle ボイスなどのツールも提供中だ。
これらのサービスは整理しきれない状況で乱立しており、相互の互換性も持たない。グーグルが複雑に絡み合ったコミュニケーションアプリを一つにまとめるのは、かなりの難題になることも考えられる。しかし、GメールとハングアウトMeetやChatを一体化させるのは、合理化を進める上で最適な選択肢となるかもしれない。