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中国TCLの折り畳み式スマホ(Photo by Miquel Benitez/Getty Images)

中国の家電大手「TCL」は、米ラスベガスで開催されたCESで折り畳み式スマホの試作品を公開した。店頭に並ぶのはまだ先になりそうだが、デモは大きな話題を呼んだ。

TCLは、“高スペックな端末は価格も高い”という世間的常識を打ち破るのが得意なメーカーだ。例えば、折り畳み式スマホと合わせて発表した5Gスマホの価格は500ドル以下で、同社のTVも以前からコスパが高いと評判だ。

端末価格を下げるには、技術的な妥協が伴う。例えば、モトローラは折り畳み式スマホ「Razr」をサムスンの「Galaxy Fold」より500ドル安くするため、ミッドレンジのチップと小型バッテリーを採用した。

TCLのこれまでの戦略を見れば、スペックが平均的だとしても価格を競合製品より圧倒的に安くしてくると思われ、サムスンやモトローラにとって大きな脅威になる可能性が高い。

10年前と比べ、今のユーザーの要求レベルは格段に高くなっている。かつてのようにデザインが悪く、バグの多いアンドロイド端末は受け入れられない。TCLのスマホは価格の安さに加え、優れたパフォーマンスも提供しなければ消費者に受け入れられないだろう。

カメラ機能はとりわけ重要で、レンズには望遠か広角を搭載する必要がある。バッテリーサイズはRazrよりも大型であるのが望ましく、UIにも配慮が必要だ。また、動作速度も特別速くはないが遅すぎないレベルのものが理想的だ。

モトローラのRazrについては、背面カメラのレンズが1個であることから、広角撮影ができないことは明らかだ。また、バッテリーサイズは非常に小さい。つまり、TCLのスマホが機能面でRazrを上回ることはそう難しくはないだろう。

ここで気になるのは、TCLの折り畳み式端末の販売価格だ。Razrを100ドルほど下回る程度では不十分だろう。なぜならば、Razrは2000年代にヒットした人気モデルの復刻版であり、今でもファンを多く抱えるなど、マーケティング面でTCLよりも優位に立っているからだ。

Razrを打ち負かすには価格を大幅に安くする必要があるが、幸いTCLもそのつもりのようだ。5Gスマホについては、競合の「OnePlus 7 Pro 5G」が840ドルであるのに対し、TCLの端末は500ドル以下となっている。

折り畳み式スマホでもこのような低価格を打ち出すのであれば、TCLの端末は700ドル以下になると推測される。これほど安価な折り畳み式端末がリリースされれば、業界に巨大なインパクトを与えることは必至だ。

編集=上田裕資

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