ビジネス

2020.01.30

ゼロカーボン競争、マイクロソフトも参戦 30年までに実質マイナスへ

マイクロソフトCEO サティア・ナデラ(Photo by Sean Gallup / Getty Images)


アマゾンの取り組み

マイクロソフトの目標は、アマゾンなどライバル勢のものよりもさらに進んだものだ。例えばアマゾンの目標は、40年までにCO2の排出量が実質ゼロのカーボンニュートラルを達成することにとどまっている。

もっとも、アマゾンにとってカーボンニュートラルの達成はかなりハードルが高い。アマゾンはCO2を、自社の倉庫での電力使用からだけでなく、年間100億を超える荷物の配送からも排出しているからだ。その作業はエネルギーを大量に使用するバリューチェーンに支えられている。

アマゾンの最高経営責任者(CEO)、ジェフ・ベゾスも、気候に関連した企業責任を逃れようとはしていない。ベゾスはCO2排出量の削減について「私たちにはそれができるし、やらなくてはいけないことも分かっています」と述べている。

アマゾンは、30年までに使用電力をすべて再生可能エネルギーにすることも約束している。グーグルとアップルは、自社の全世界での年間電力使用量に相当する再生可能エネルギーを購入することによって、すでにこの目標を達成している。

マイクロソフトは再生可能エネルギー化に関しては他社に後れを取っていたが、25年までに自社の全インフラで使用電力をすべて再生可能エネルギーに切り替える目標を掲げている。

シリコンバレーは今後も、株主アクティビズムに突き動かされつつ、環境の持続可能性に向けた取り組みをリードしていくことになりそうだ。鉱業や石油化学、航空といったエネルギー集約型産業に比べると、テック産業は再生可能エネルギーへの切り替えがしやすいという事情はあるかもしれないが、この変化の先導に関してマイクロソフトをはじめとするテック大手の取り組みは高く評価されてしかるべきだろう。

編集=江戸伸禎

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