コービー・ブライアント、子どもの健康にも尽力 スポーツの効用広く訴え

コービー・ブライアント(Photo by Stacy Revere/Getty Images)

世界はきょう(米西部時間1月26日)、コービー・ブライアントを失った。史上最高のバスケットボールプレーヤーの一人に数えられるブライアントは、米国や世界の子どもたちの健康を向上させることにも力を注いでいた。

ブライアントらを乗せたヘリコプターがカリフォルニア州カラバサスで墜落し、彼を含む9人が亡くなった。ブライアントは41歳だった。13歳の娘のジアーナも犠牲になった。


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ブライアントは、米プロバスケットボールNBAのロサンゼルス・レイカーズで1996年から2016年までプレーし、その間にあらゆるタイトルを総なめにした。NBA王者に5回輝き、NBAファイナルの最優秀選手(MVP)を2回受賞、08年にはシーズンMVPに選出された。オールスター選出は18回に上り、08年の北京、12年のロンドンとオリンピックでも2回、金メダルを獲得している。


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プロバスケットボール選手としてこれほど輝かしい経歴を誇りながら、彼は引退後、それに安住しようとはしなかった。過去の栄光にあぐらをかくのは、コービーの流儀ではないのだ。それどころか、コートの中で「ブラックマンバ」がダンクをたたき込むときと変わらない熱量で、彼はコート外でもさまざまな分野に次々と飛び込んでいった。

例えば、短編アニメーション映画『Dear Basketball(親愛なるバスケットボール)』の脚本とナレーションを務めた。作品は第90回アカデミー賞で短編アニメ賞を受賞し、ブライアントはNBA選手として史上初のオスカー受賞者となった。


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設立は選手時代の09年にさかのぼるが、米国と中国の子ども向けの教育やスポーツ、文化事業を支援する財団「コービー・ブライアント中国基金」も運営した。その4年後には、投資家のジェフ・スティベルとベンチャーキャピタル企業、ブライアント・スティベルを設立。同社はこれまでに、メディアやデータ、ゲーム、テクノロジー関連の企業に投資してきた。「引退」とはほど遠い活躍ぶりだ。

そして、筆者も関わっているコンソーシアム「プロジェクト・プレー2020(Project Play 2020)」での活動がある。プロジェクト・プレーは、米国の青少年の運動不足問題に取り組み、それを克服することを目指す団体で、主要なスポーツリーグ、スポーツ関連の組織や団体、保健機関などが参加している(主催はアスペン研究所)。ブライアントはその広報役を引き受けてくれた。
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編集=江戸伸禎

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