ターゲットは次世代の旅行者。ローズウッド ホテルズ&リゾーツが巻き起こす新風

ソニア・チェン氏


「紋切り型ではなく、パーソナライズされている経験を若い世代は探していると思います。贅沢さとはこれまでは豪華な装飾など金銭的な贅沢さが求められていましたが、いまはシンプルな喜びを求めています。たとえば、朝食におりていくとコーヒーの好みまで覚えていてくれている、そういった感覚的なところが大切だと思います。レストランでもローカルコミュニティが納得できるようなものをいれています。グローバルトラベラーに加えて、ローカルな人たちも集まる場所を目指しています」

ホテルビジネスは「ダイナミックかつイノベーティブで楽しい」と語るソニア氏は、自身もホリスティックなアプローチでホテルのプログラムを開拓する。

4人の子供がいる視点から発想した子供のための体験プログラム「ローズウッド エクスプローラ」は、ハーブガーデンの育成や、サンゴ礁の保護の体験、木材で小屋を建てる体験など、デジタル化した世界の中で自然や動植物、地元の文化に触れる体験をしてもらうものだ。

「経験から生まれることが多いので、新しいディスティネーションを探索したり、いろいろな人にあったりと、いつも学んでいます。もちろん日本で展開する可能性も視野にいれていますよ。日本でも多くの観光地や、新しいレストランを訪れました。先日は完全招待制のフレンチ「スガラボ」にもいきました。入り口が30分見つからなくて大変でしたが(笑)。日本でのホスピタリティのひとつひとつがインスピレーションに繋がりました」



「ホテルは人の人生にダイレクトに影響を与えるもの」というソニア氏。ゲストのみならず、従業員の育成の責任を負うソニア氏だが、それを真剣かつ優雅に楽しむソニア氏は、業界リーダーの貫禄が十分に漂う。新世代のホテルオーナーが業界にどのような影響を与えていくか、期待は高まる。

文=児島麻理子

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