米政府「中国への渡航再検討」要請、新型コロナ感染拡大で

中国にて乗客の検温の様子(Getty Images)

米国政府は1月27日、中国で新型コロナウイルスの感染が拡大していることを受け、急を要さない中国への渡航を控えるよう呼びかけた。

今回の渡航警戒勧告は米疾病対策センター(CDC)と米国務省により出された。「中国の武漢市で最初に確認された新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国への渡航を再検討することを要請する」と国務省は述べた。

中国政府は既に、疾患の発生源である武漢市周辺への旅行を制限しているが、米国政府の警告は中国全土への旅行を対象とするものだ。何からの理由により中国に向かう場合、CDCは、感染者や動物、動物を扱う市場や火を通していない動物由来の食品との接触を避けるように呼びかけた。

中国内での新型コロナウイルスによる死者は82人に達しており、少なくとも2800人が感染している。CDCは1月27日、米国内の感染者110人を監視下に置いているとアナウンスした。感染者は日本やタイ、カンボジア、ベトナム、マレーシア、シンガポール、オーストラリア、カナダ、フランスでも確認されている。

今回の感染は12月初旬に中国の武漢市から始まり、他の地域に拡大した。初期の報道では、感染が始まったのは武漢市の海産物市場だったとされた。1月26日、中国の国民健康委員会トップのMa Xiaoweiは、ウイルスが潜伏期間中でも他人に感染することが確認され、以前よりも危険度が高まったと述べた。

中国政府は武漢市の周辺の都市の道路や公共交通機関、空港などを閉鎖し、感染の拡大を防ごうとしている。前例を見ない規模の交通機関の閉鎖により、中国の湖北省では数百万人以上の人々が移動を制限されている。

感染の拡大が世界経済に与える懸念が高まる中で、株式市場でも今後の動向を不安視する声が高まっている。

編集=上田裕資

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