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Photo by: Nathan Congleton/NBC/NBCU Photo Bank via Getty Images

1930年代に誕生したカセットテープは1980年代、外出先でも音楽が楽しめるソニーの「ウォークマン」登場により、家庭の必需品となった。そしてデジタル音楽革命をへた現在、あるフランス企業が、一般向けカセットテーププレーヤーを21世紀の機器として復活させようとしている。

欧州最後のカセットテープ製造企業

ニュースサイト「コネクション(Connexion)」によると、仏企業ムラン(Mulann)は銀行のキャッシュカードなどの磁気カードや音響用途に向けた磁気ストライプを製造している。音響用磁気ストライプは主に、映画や音楽の録画・録音のためアナログ音源を使うプロのレコーディングエンジニアによって使用されている。

ムランは2016年、アナログ需要の増加(同社に寄せられる要望は80%増えているという)に対応するため、子会社レコーディングザマスターズ(RecordingTheMasters)を設立。同社は、80年代の独カセットテープメーカーからBASFとAGFAのテープ製造法を利用する権利を購入し、改良版テープを開発して2018年に「Fox」として発売した。

アナログはデジタル音楽を補完する

ムラン・グループのジャンリュック・ルヌー最高経営責任者(CEO)は、アナログがデジタル音楽と競うことは期待していないものの、両者が共存する可能性はあると主張する。

「これは暖房のようなもの。家には暖房器具が各部屋にたくさんあって、それは今後も変わらない。これがデジタルだ。だが、暖炉を一つ置くこともでき、違うものを経験するには時間がかかる。これがアナログだ。暖炉は暖房器具に置き換えられない一方で、暖房器具も暖炉を永遠に葬り去ることはできない」

新プレーヤー発売へ

ルヌーは仏紙パリジャンに対し、ムランがラ・トワル・シュール・エクート(La Toile sur Ecoute)社と提携して新たな携帯用カセットプレーヤーを発売することを明らかにした。価格は69ユーロ(約8300円)。従来のプレーヤーは音質が悪いと評判だったが、ムランは元トムソン(現テクニカラー)の音響エンジニアと協働することにより音質の問題を解決できたと自負している。現在は、Bluetooth接続機能を加えるため試作品の改良を重ねている段階で、完成品はスマートフォンと同じ方法で充電できる予定だ。

カセットテープの販売数が増加

コネクションの記事によれば、米国のオーディオカセットテープ販売本数は2017年の17万8000本から18年には21万9000本に増えた。アナログ機器の売り上げが伸びるにつれ、アルバムをカセットテープやレコードなどの媒体で発表するアーティストも増えるだろう。

現代版ウォークマンを開発する企業としてはムラン以外にも、香港のNINMラボ(NINM Lab)が同価格帯でカセットテーププレーヤーを販売している。

編集=遠藤宗生

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