発表10周年を迎えた「iPad」 4K・5G・大判化など今年の進化を占う

発表してから10年が経過したiPad


iPad「10周年アニバーサリーモデル」は出るのか?

以上、これまでの歩みを踏まえながら2020年以降に登場するiPadの進化について注目したいポイントを挙げてみたい。

まずは2017年に10周年を迎えて発売されたiPhone Xのように、iPadにもアニバーサリーモデルの登場を期待したい。当時の“集大成”としてベストを尽くしたiPhone Xのように、次世代のiPadにもマルチレンズカメラや4Kを超える高精細な有機ELディスプレイ、そしてiPhone 11シリーズに先行して載せた超広帯域無線(UWB)を活用する高精度なトラッキング機能など、イノベーションを豪華に盛り込みたい。


iPhone 11 Pro/11 Pro Maxに採用されているトリプルレンズカメラが次世代のiPadにも搭載されるのだろうか

2020年は世界各地で5Gの商用通信サービスが本格的に立ち上がる。スマートフォンであるiPhoneだけでなく、セルラー対応のモデルが選べるiPadにも、特にフラグシップのiPad Proには5G対応機が出てきても不思議はないだろう。

今年は特に直近の最新モデルが発売されてから1年半が経とうとしている、フラグシップの「iPad Pro」の動向に関心が集まりそうだ。

合体して機能を拡張できるiPad専用アクセサリーも欲しい

現在は純正キーボードを装着するためだけに使われている独自端子のSmart Connectorに装着して、iPadの機能を拡張できる専用アクセサリーの拡大にも期待したい。特にゲームをプレイする際の操作性を高める外付けコントローラー、そしてiPadと合体してSiri搭載スマートディスプレイにもなる新型HomePodなどが実現すれば面白い。


第7世代のiPadにも搭載されているSmart Connector。キーボード以外にも様々な「iPad専用アクセサリー」を装着して、用途に合わせた機能が拡張できるようになれば面白くなりそうだ

宅内に設置したスマートデバイスの動作状態を、音声だけでなく視覚情報も見ながら確認できるAIアシスタント付きのスマートディスプレイは、やはり使って見ると便利さを実感する。またそのような製品は、アップル独自のホームIoTのプラットフォームであるHomeKitの拡大にとって欠かせないパズルのワンピースであるとも言える。

アップルは2019年末にアマゾンとグーグル、そして近距離無線通信規格のZigBee(ジグビー)の普及を押し進めるアライアンスメンバー企業とともに、スマートホームデバイスのためのオープンスタンダードを共同開発するワーキンググループを発足させた。HomeKitに対応するスマートホーム機器の拡大にも弾みを付けるのか要注目だ。


今後日本国内でもスマートホームの普及が拡大していけば、iPadやiPhoneがコントロールセンターとしての役割をますます強く求められるようになる

筆者の周囲ではiPadをイラスト制作に活用するクリエイターが多くいる。今後もPCに代わるクリエイティブツールとしてiPadの体験価値を拡大するのであれば、大判20インチ級のiPadや、より細いペン先でディティールの筆記までできる「Apple Pencil Pro」もあれば商品ラインナップにかなりの厚みが増すと思う。

文= 山本 敦

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