史上最もパワフルなBMW、M8は究極のグランドツアラー

BMW M8 Competition


やはり、ここまでマニアな選択肢があるなら、サーキットを走るしかなさそうだ。このM8コンペティションのバネとダンパーは、M部門が特別に工夫しており、アーム類も開発されている。試乗したのはロサンゼルスだったが、まさにぴったりのGTクルーザーだと思った。

実際、高速道路とワインディングロードで走ってみたが、まさに(良い意味で)ジキル&ハイドのレスポンスを感じた。というのは、高速道路ではステータス性、パワー感と乗り心地抜群で、最高級の4WDグランドツアラーだと思った。

一方、ワインディングでは、後輪だけで走行するMモードに入れると、少し重めのM3のようなコーナリング性能を持っている。車重が1885kgもあるM8は、それを上手く隠していると思えた。高速道路で乗った時と比べて、ステアリングはよりシャープにターンインしてリアはピタッとついてきてくれる。

エキスゾーストは確かにV8の低音の低い乾いた音が出るけど、僕としては、BMWがこれまでに作ってきた中で最も力強いクーペなので、モンスター的な、いやゴジラのような吠え声にして欲しかった。



室内の質感はトップクラスだ。シートやドアにも上質な本革が使われており、カーボンファイバーもふんだんに採用されている。

無限のパワー感が好きで、最高級のGTカーに乗りたいなら、M8は選択リストに載せてもいいだろう。ただ、その2433万円のプライスとなると、アストンマーチンDB11なども選択肢となり、チョイスが難しいかもしれない。

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>

文=ピーター・ライオン

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