今永昇太、26歳。プロ4年目を支えた思考「居心地の良さを感じたら、成長が止まっている証拠」

横浜DeNAベイスターズの今永昇太


「迷ったら、これを投げるというボールが欲しい。僕の場合はストレートだと思いますけど、力ずくのまま投げて抑えるのではなく、もっと抑えようがある。コントロール、球の質、投げるタイミングなど、まだまだ足りないものが多い。スキルの幅を広げることも大事ですが、幅を優先しすぎるとどっちつかずになるタイプなので、まずはひとつのことに集中する。投手はストレートが何より大事だと誰もが言うので、ストレートを絶対的なものにできれば、と思っています」

ビジネスパーソンに置き換えるならば、小手先のスキルを身につけるのではなく、まずは自分の軸となる強みを見つけ、それを磨き上げることがキャリアを築く上で重要ということだろう。

もっと夢中に

不調だった3年目から、絶好調だった4年目。そして5年目のシーズンが数カ月後には幕を開ける。2019年11月に開催された「WBSC プレミア12」での経験も今に活きている。

「日本代表で一番すごいと思ったのは広島東洋カープの鈴木誠也さんです。名実ともに日本トップクラスの打者ですけど、代表の合宿に行くと、謙虚に読売ジャイアンツの坂本勇人さんに質問したり、5〜10分の空き時間でもシンシナティレッズ(元西武ライオンズ)の秋山翔吾さんとバッティングの話をしたりしている。首位打者を獲得するくらいのレベルに到達してもなお、貪欲に自分のためになる知識を吸収する姿勢を見たときに、自分はまだまだそこまでいってないな、と思ったんですよね。トップクラスがそれだけやってるのに、俺もやらなきゃだめだろ、と。


(c)YDB

スタートトゥデイ代表の前澤友作さんが『努力は夢中に勝てない』と言ってたんですけど、まさにそれですね。トップクラスは野球に夢中。僕ももっと夢中にならないといけないですね」

文=新國翔大 写真=小田駿一

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