ニューヨーク在住ジャーナリスト / NYC-based Journalist


──あなたは児童書や詩集も上梓し、音楽プロデューサーとしてグラミー賞を受賞したジャズの分野でも本を出しています。今、何に関心がありますか。

『Fandango at the Wall』(国境の壁で奏でるファンダンゴ)という、初の映画制作に取り組んでいる。100人強の音楽家を米国とメキシコの国境地帯に集め、演奏する様子を収めた作品だ(注:「ファンダンゴ」は、年に一度、米国サンディエゴとメキシコのティファナの国境に両国の音楽家が集い、壁を挟んで演奏する音楽フェスティバル)。

音楽や芸術は共感を生み、人々や国を一つにする。良い監督のおかげで、メキシコ生活の美しさを感じられる作品に仕上がった。3年余りの歳月をかけた多難な旅だったが、上映を楽しみにしている。

新刊も書き上げたところだ。若い頃、インドから米国に移住し、米企業の最高経営責任者(CEO)に上り詰め、アメリカンドリームを達成した実父の伝記だ。彼は引退しているが、その人生とリーダーシップを綴った本である。今年前半には出版できそうだ。

──作家としてよりも、音楽プロデューサーとしてのアイデンティティーのほうが強いですか。

好奇心にあふれた人間、というのが私のアイデンティティーだ。執筆も音楽も、目的は、まず自分が学び、そして、それを世界に貢献することだ。創作を通して世界について学び、それを提供することで、人々が何かを学ぶ一助となりたい。


『貨幣の「新」世界史──ハンムラビ法典からビットコインまで』(小坂恵理訳、早川書房、2016年)。金融危機の際に感じた自らの「お金」への問いをきっかけに世界25カ国を旅し、脳科学、行動経済学、歴史学、宗教学、古銭学など専門家に取材。3年前の著書とは思えないほど、その知の探索はエキサイティングで、示唆に富む。


Kabir Sehgal◎作家、音楽プロデューサー、実業家、米海軍退役軍人。元JPモルガン新興市場部門VP、直近は米電子決済サービス企業ファースト・データで企業戦略を担当していた。ダートマス大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス卒業。音楽プロデューサーとしてはグラミー賞を4度受賞。分野を超えた多彩な才能で精力的に活動する。

イラストレーション=Paul Ryding

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