音楽業界が大注目、2020年グラミー賞「最優秀新人賞」の行方

ビリー・アイリッシュ(Photo by Jeff Kravitz / Getty Images )

1月26日に開催される「第62回グラミー賞授賞式」において、音楽業界が最大の関心を払うアワードの一つが最優秀新人賞だ。なぜなら、各アーティストがこの賞を受賞できるチャンスは人生で一回きりだからだ。

過去には、有名グループの一員として活躍した後、ソロデビューしたアーティスト(ワン・ダイレクションやフィフス・ハーモニーの一員など)にも、最優秀新人賞の受賞機会が与えられるべきだという議論もあったが、グラミー賞を主催するレコーディングアカデミーは、その案を否定した。

最優秀新人賞にノミネートされるためには非常に高いハードルがあるが、今年の候補者にあげられたのが次のメンバーだ。

・ビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)
・リゾ(Lizzo)
・リル・ナズ・エックス(Lil Nas X)
・ロザリア(Rosalía)
・ブラック・ピューマズ(Black Pumas)
・マギー・ロジャース(Maggie Rogers)
・タンク・アンド・ザ・バンガス(Tank and the Bangas)
・ヨラ(Yola)

上記のメンバーのうち、最も受賞の見込みが薄いのはブラック・ピューマズやタンク・アンド・ザ・バンガス、ヨラと言えそうだ。さらに、マギー・ロジャースやロザリアが選ばれる可能性もかなり低い。


ブラック・ピューマズ(Photo by Randy Holmes / Getty Images)

最も有望なのは、ビリー・アイリッシュとリル・ナズ・エックス、リゾの3人ということになるが、筆者個人としては、今年の最優秀新人賞はビリー・アイリッシュに決まると考えている。

アイリッシュはデビュー当初から音楽業界のネクスト・ビッグ・シングとみなされてきたが、彼女のアルバム「When We All Fall Asleep, Where Do We Go?」とシングル「Bad Guy」は2019年のベストセラーとなり、楽曲のクオリティ面でも非常に高く評価された。

さらに、最優秀新人賞は女性のソロシンガーに授与されるのが通例となっており、その点から考えてもアイリッシュやリゾのほうが、リル・ナズ・エックスより受賞の可能性が高い。リル・ナズ・エックスは商業的には多大な成功を収めたが、彼の楽曲「Old Town Road」が、2人の女性アーティストの作品と同レベルの敬意を集めたとは考えにくい。


リゾ(Photo by Don Arnold / Getty Images)

リゾはシングル「トゥルース・ハーツ」を大ヒットさせ、今年のグラミー賞で主要4部門を含む最多8部門にノミネートされている。リゾが最優秀新人賞に輝くチャンスも十分にあるが、筆者としてはビリー・アイリッシュこそがこの賞にふさわしいと考える。

編集=上田裕資

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