「感染源」は身近にも、警戒すべき5種類のペット

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米国では過去10年間だけをみても、動物が持つ細菌が原因となった感染症の発生例が数多く報告されている。ペットとしてかわいがる人が多い一方で、非常に危険な細菌を保有する動物もいるためだ。以下、かわいらしさと危険度から考えた「ワースト5」のペットを紹介する。

5位:ヤモリ

米国では2014年1月1日から2015年6月16日までに、ペットとして飼われていたトカゲの一種「オウカンミカドヤモリ」が保有するサルモネラ菌(サルモネラ・ミュンヘン)への感染例が17州で報告されている。

4位:ひよこ/子ガモなど

2011年には「サルモネラ・アルトナ」に20州の68人、「サルモネラ・ヨハネスブルク」に15州の少なくとも28人が感染した。いずれもペットのひよこやコガモが原因だった。2010年代にはほぼ毎年、サルモネラ感染症が集団発生している。

ただ、自宅の裏庭で何羽もの鳥を飼っている人の多さを考えれば、これは驚くことでもない。鳥をペットにすること自体には、基本的には何の問題もない。だが、居住空間やその周辺で飼う場合には、適切な予防措置を講じることが必要だ。口や鼻、目、耳には、鳥を近づけてはいけない。

3位:ハリネズミ(ヘッジホッグ)

見た目は本当にかわいらしいハリネズミだが、2012年に12州、そして2019年には23州で、サルモネラ感染症の原因として特定されている。

1位(タイ):カメ

2019年にはカメが保有する「サルモネラ・オラニエンブルグ」に14州の26人が感染し、8人が入院した。また、2017年には「サルモネラ・アグベニ」に19州の76人が感染、30人が入院した。そのほか2012年、2013年、2015年にも同様に、カメが持つ「サルモネラ・サンディエゴ」「サルモネラ・プーナ」が原因のサルモネラ症患者が多数発生している。

1位(タイ):子犬

2017~2019年にはカンピロバクター感染症の患者が多数の州で発生。原因はペットの犬が持つ「カンピロバクター・ジェジュニ」だった。この細菌は、薬剤耐性化が進んでいることに懸念が持たれている。

予防策を取ることが重要

もちろん、すべての人がこのリストに同意してくれるわけではないだろう。トノサマガエルやアゴヒゲトカゲ、モルモット(いずれもサルモネラ菌を持つ)などの方がかわいいという人も多いはずだ。

サルモネラ菌が原因で起きる主な症状は、下痢(2〜7日間続く)のほか発熱、悪寒、悪心、嘔吐、腹部痙攣、血便など。また、この菌が血中に入り込むと、脳のほかや脊髄、骨、心臓壁の内膜に炎症(脳炎、髄膜炎、骨髄炎、心内膜炎)、反応性関節炎といったより深刻な問題が引き起こされる可能性がある。免疫力が弱い人や妊婦などの場合、こうした合併症のリスクはさらに高くなる。

動物を扱うときには、常に適切な予防策が必要だ。ペット、または何であれペットが触れたものを触った後には、しっかりと手を洗うこと。手洗いは頻繁に行うこと。さらに、食べ物のほか自分が口に入れる可能性があるものは、ペットに触れさせないこと。

また、ペットには定期的に獣医の検診を受けさせること。細菌などの危険性がないかどうかを確認するには、獣医に診察してもらうほかない。病気の原因となる細菌を持っていても、発症しない場合もある。そして、たとえ発症したとしても、ペットは飼い主であるあなたにそれを伝えることができない。

編集=木内涼子

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