本田圭佑との出会いとツイッターで人生が一変。22歳の大学生の物語

(左)「One Tokyo」運営責任者の奥山大(右)「One Tokyo」代表者、NowDo取締役副社長の鈴木良介


鈴木:12月初旬に東京都社会人サッカー連盟の説明会に参加し、申請書類は提出してありました。すでにプロジェクトの輪郭は出来上がっていたところに、奥山くんから連絡があった。彼がいなければ、僕が責任者になるところだったので救世主です(笑)。

奥山:最初、本田さんに会ったときに「自分でクラブをやりたい」という話は全然出ていなくて。とにかく僕のことについて聞かれた後に、「実は……」と話を切り出されたので、まさか、という感じで驚きましたね。

9年でJ1に昇格することを目標に

──ゼロから新たにサッカークラブを立ち上げたわけですが、鈴木さんが考える“理想のサッカークラブ”はどういったものでしょうか?

鈴木:現在のスポーツ業界、スポーツビジネスはお金がしっかり回らない仕組みになっている。例えば、スポンサーのお金に頼りきってしまっているんです。そうなるとスポンサーのお金に全て左右されてしまい、健全な運営ができなくなってしまう。だからこそ、One Tokyoでは別の形でお金を集める方法も考えています。

また、最近の東京に住んでいる子どもは地元チームのユニフォーム以外を着ているんです。本来のサッカーは、その街のチームを子どもが応援し、そのチームに入りたくて育っていく。多くのクラブが地域密着を掲げているけれど、実際にできているクラブは少ない。

全員参加型でクラブをつくって、地域でみんなに応援されて、その応援される姿に憧れて自分の地域のチームに入りたい、という循環を生み出せるのが理想的。そういうクラブになれたらいいな、と思います。


1月2日に開催された「初蹴り!本田圭佑に挑戦!Produced by NowDo」の模様

──今後のOne Tokyoの運営について、奥山さんはどんな考えを持っていますか?

奥山:One Tokyoはコンセプトでもある「全員参加型」が最も大事な軸です。僕も最初に本田さんと会ったときに「つくる人を増やすようなクラブを運営したい」と言ったのですが、それを実現するためには全員が当事者意識を持てるかどうかが大事。それがこれまでにないクラブの形ですし、かつ健全だと思うんです。

そのためにはコミュニティとしての土台を固められるかどうかが鍵を握ります。ゼロからのスタートでクラブに関わりたいと思う人を増やす分、コンセプトがズレているとコミュニティが大きくなっていかないので、まずは全員参加型のコンセプトを大事にしてクラブを運営していきたいです。

鈴木:書類を提出して、サッカークラブをつくる。ここまでは誰でもできる。大事なのはここからです。9年でJ1に昇格することを目標に、4月のリーグ戦から1試合1試合全力でがんばっていきます。もちろん、難易度は高いです。もしかしたら、ひとつの会社を成功させるより難しいかもしれない。だからこそ、やりがいがあるんです。

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