ビジネス

2020.01.24

元フェイスブックジャパン代表の次なる挑戦。まずはクラフトビールから

MOON-Xを創業した、長谷川晋

「フェイスブックジャパンの代表取締役を退職し、起業をする決意を固めました」

フェイスブックジャパン代表を務めていた長谷川晋が退任を発表したのは、2019年3月のこと。この発表から約8カ月が経ち、長谷川の次なる挑戦が明らかになった。彼が次に取り組むのは“日本のモノづくりにテクノロジーを融合し、新たなブランドを生み出すこと”だ。

1月24日、長谷川晋が新たに立ち上げた会社「MOON-X」は、第1弾のブランドとして、クラフトビールのブランド「CRAFT X」の立ち上げを発表。1月24日から「クリスタルIPA」を正式に販売開始する。また同社はブランド立ち上げの発表と同時に、JAFCOと個人投資家から10億円強の資金調達を実施したことも明らかにした。


1月24日から発売開始されるCRAFT Xの「クリスタルIPA」 写真=MOON-X提供

日本のものづくりを世界に広めていきたい

「日本のモノづくりは世界的に見ても素晴らしい。いいものを作っている会社はたくさんありますし、いいものを作っている人もたくさんいるのですが、なかなかテクノロジーをうまく活用できていない。素晴らしいものがあるのに、広められていない。その“広める”部分を僕がこれまでのキャリアで培ってきた知識を生かして手伝っていきたいと思っています。また、ブランドもひとつではなく、複数つくって“ブランド群”にし、日常生活を豊かにする商品をひとつでも多く生み出したい」

MOON-Xを創業した経緯について、長谷川はこのように語る。例えば、今回新たに発売されるクリスタルIPAは、“フクロウのマーク”でお馴染みの常陸野ネストビールを製造・販売する木内酒造と共同で開発。長谷川曰く、IPA(インディア・ペールエール)が持つ独特なフルーティーな香りはありながらも、クリアで苦味を抑えた飲みやすく、新しいスタイルのIPAになっているという。

MOON-Xはクラフトビールのブランド「CRAFT X」を皮切りに、調達した資金をもとに新たなブランドをつくっていく。長谷川によれば、「すでに次のブランドの構想も動き始めている」という。

「『CRAFT X』の“X”にはネクストの意味が込められています。次のクラフトビールの魅力を発掘し、それを多くの人たちに伝えていきたい。今後立ち上げるブランドも同じように“次の魅力”を見つけられるものにしていけたら、と思っています」
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文=新國翔大 写真=小田駿一

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