2019年にホームレス人口がもっとも多かったアメリカの都市

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米国住宅都市開発省が、全米のホームレス状況の詳細をまとめた最新報告書を発表した。同省の「2019年版ホームレス評価報告書」によれば、2018年から2019年にかけて、ある1晩においてホームレスだった人の推定数は、ほとんどの州で減少したにもかかわらず、全米では3%増加したという。

全米での増加は、おもにカリフォルニア州でのホームレス急増によるものだ。同州では、2018年から2019年にかけて16.4%、人数にして2万1306人増加した。絶対数で見ると、全米で野宿するホームレスのうち、半数以上(53%、10万8432人)がカリフォルニア州にいる。この数は、次に多いフロリダ州と比べると9倍近い(野宿するホームレスの6%、1万2476人がフロリダ州で生活している)。

ここ数年で、多くの地域において進歩が見られるものの、アメリカではまだ50万人以上が、住む家のない状態にある。そのうち、避難用シェルターなどの屋根のある場所に滞在している人は約63%だ。

以下の表では、ホームレス支援策を調整する地域の支援計画組織「ケアの継続(CoC:Continuums of Care )」が提供するデータを検証している。シェルターなどにいる人と野宿者の両方を合わせると、ホームレス人口がもっとも多い都市圏はニューヨークで、7万8604人だった。とはいえ、ホームレス人口が多いCoC区域の上位10区域のうち、6区域までがカリフォルニア州にあることから、同州の深刻な状況は明らかだ。

アメリカ全体で見ると、ホームレスを経験する人の4分の1近くは、ニューヨークかロサンゼルスのいずれかに暮らしている。ロサンゼルスは、ホームレス人口がニューヨークに次いで多く、5万6257人だった。3位はワシントン州のシアトル/キング郡で1万1199人だった。トップ5の残り2地区には、いずれもカリフォルニア州のサンノゼ/サンタクララ市および郡、サンディエゴ市および郡が並んでいる。

ニューヨークとは異なり、カリフォルニア州のホームレス人口の大部分は野宿者だ。住宅都市開発省の調査によれば、カリフォルニア州では全ホームレス人口の推定71.7%が野宿しているのに対し、ニューヨークではその割合は4.4%にとどまっているという。

野宿するホームレスの割合がもっとも高い2つのCoC区域は、いずれもカリフォルニア州の田園地帯と言える場所にある。カリフォルニア州北西部にあるレイク郡のCoCでは、野宿するホームレスの割合が94%。ネバダとの州境に近いアルパイン郡、インヨー郡、モノ郡で構成されるCoCでは92%と報告されている。

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翻訳=梅田智世/ガリレオ

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