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カルロス・スリム・ヘル(Getty Images)

フォーブスの世界長者番付常連である実業家、カルロス・スリム・ヘル。財閥グループを立ち上げ、メキシコの通信王、不動産王としても知られる。

多彩な才能を発揮する彼の、経歴と莫大な資産の使い道を紹介する。

幼少期から株取引、金銭感覚を身につける

カルロスは1940年、メキシコシティ生まれ。父親のフリアン・スリム・ハダッドが開いたドライフードストアが成功し、実業家の息子として育った。カルロスは三男で、兄弟たちはそれぞれの出納帳を持ち、毎週お小遣いの管理をしていたのだという。

12歳から株取引を始め、資産運用の英才教育を受けていた。実業家としての経歴は幼少期からすでに始まっていたのだ。

大学生でありながら大学教授に

メキシコ最高峰のメキシコ国立自治大学に進学したカルロス。土木工学を学んでいた一方、学生でありながら大学で教鞭を執り、幼少期から得意としていた数学を教えていた。

彼が13歳の時に父親が他界してしまったため、学費の足しにしていたのだという。

世界トップクラスの実業家へ

大学卒業後は投資銀行にてブローカーとして活躍した後、65年に財閥「グルーポ・カルソ」を設立。タバコや自動車部品企業などの買収を繰り返し、事業を拡大させた。

82年にメキシコ債務危機が起こり、多くの企業の国営化が囁かれる中でも、企業への投資を継続した。

90年代には、メキシコ国営企業民営化の波に乗り、メキシコ国営の通信電話会社「テルメックス」をアメリカの通信会社「SBC」、フランスの「テレコム」との協力によって買収。

テルメックスの一部事業から「アメリカ・モビル」を立ち上げ、固定電話や携帯、ケーブルテレビなどに関連する通信業界でも成功を収めた。

資産とその使い道

実業家として様々な分野で成功を収めたカルロスは、2010年から13年まで、世界長者番付の1位を取り続けた。その後も上位にランクインし続け、19年の世界長者番付のランキングは5位、保有資産額は640億ドルになる。

多額な資産を持ちながらも、質素な生活を続けていることでも有名で、近年、その資産の大半は慈善事業に充てられている。

教育面においては、メキシコの公立学校へ10万台以上のコンピュータを寄贈したり、奨学金や学費補助の支援などを行なっている。

他にも、入館料無料の美術館「ソウマヤ美術館」の設立や、ハーバード大学とMITが共同で行うガンと肝臓病、糖尿病に関するゲノム研究への出資など、幅広い分野での慈善事業を続けている。

文=齋藤優里花  写真=gettyimages

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