ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信


ヴァージン・グループはヴァージン・トレインズという鉄道会社を傘下に持ち、この会社がロサンゼルスとラスベガスを結ぶ長距離高速旅客鉄道路線を開発する。ヴァージン・トレインズは、すでにフロリダ州で高速の中距離旅客列車を運行しているので、そのノウハウをもって、この路線の経営にも当たるという。

ヴァージン・グループは、ご存知のように音楽業界からスタートし、主力の航空産業に加え、金融や携帯電話、宇宙開発事業など、とどまるところを知らず多角経営、異業種参入を進めてきた。今回の新たな旅客鉄道の開発も、実はそれだけに止まらず、その先にはラスベガスという街自体への進出という意味合いも含まれていると言ってもよい。

ヴァージン・グループ会長 リチャード・ブランソン
ヴァージン・グループ会長 リチャード・ブランソン(Getty Images)

ラスベガスの街を変える?

最近、ヴァージン・グループは、ラスベガスの数あるホテルのなかでも、「ロック音楽」と「宿泊」を融合させてユニークなポジションを誇ってきた「ハードロック・ホテル・アンド・カジノ」を買収することにし、1500室の客室をリノベーションして、今年の年末に「ヴァージン・ホテル・ラスベガス」としての開業を目指している。

まさに鉄道とホテルが結びついているわけだが、スピード経営で知られるヴァージン・グループは、まず提携から入り、オペレーションをそれまでの専門家に任し、自社はブランド力での集客に専念する。

鉄道に関しては、前述したフロリダ線でも、ブライトライン社という民間会社との提携路線であり、車両運行は一切同社に任せている。ハードロック・ホテル・アンド・カジノも同様に、自分たちでオペレーションはせず、ワーナーゲーミング社に全面委託する契約となっている。

とはいえ、たった1軒のカジノホテルと高速鉄道を所有したところで、15万室の客室があるラスベガスにおいて、それほどの相乗効果が認められるわけではない。ということは、ヴァージン・グループがこれを皮切りに、経営ノウハウを高め、力を蓄え、今後ラスベガスの勢力地図を塗り替えるくらいのことを考えているのではないかと、その可能性も感じる。すると、次はコンベンションセンターやホテルのショーやゴルフ場などへの参入だろうか?

文=長野慶太

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