ビジネス

2020.01.24

利益率でナイキを凌ぐアディダスにウォール街も注目

Photo by Spencer Platt/Getty Images


同キャンペーンでは、メディアがスポーツ界の男女を平等に扱うことを推進する動画を公開している。さらに、高校の女子バレーボールと女子サッカーの試合について、ツイッターでライブ配信する「@3StripeLive」シリーズも開始した。

若い消費者をターゲットにしたことは、アディダスにとって、新製品がすぐに売れる流れをつくるのに役立っている。たとえばスニーカーの「NMD R1」は発売日だけで40万足売れ、「Ultraboost」は発売から1時間で1万1000足も売れた。

新製品のバズ・マーケティング(口コミを利用したマーケティング)に加えて、革新的な製品づくりを行ってきたことが功を奏し、アディダスは20年連続でダウ・ジョーンズ・サスティナビリティ・インデックス(DJSI)の構成銘柄に選ばれた。

そうした製品のひとつが、100%リサイクル可能なランニング・シューズ「FUTURECRAFT.LOOP」だ。使用後のシューズを返却すると、アディダスがそれを細かく砕いて、新しいシューズに再生させる仕組みだ。

海洋プラスチックをリサイクルしてつくった「アディダス・ヨガコレクション」や、光と酸素を使い、デジタルライト合成と呼ばれるプロセスでつくったスニーカー「AlphaEdge 4D」もある。

さらに、アディダス製品に関する口コミを増幅させる要素がもうひとつある。ファレル・ウィリアムスやRun DMC、カニエ・ウェスト、ビヨンセといった著名人のほか、東京に拠点を構えるファッションブランド「Bape」といった企業との人目をひくコラボレーションとパートナーシップだ。

公平を期すために言っておくと、ナイキもまた同様のキャンペーンを行っており、独自に若い消費者の支持を得ている。だが、現時点で世界的に先んじているのはアディダスのようであり、ウォール街も彼らに注目している。

翻訳=森美歩/ガリレオ

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