アメリカでの、転入が多い州と転出が多い州のランキング

アイダホ州 / Getty Images

北米で展開する引っ越し大手「アトラス・ヴァン・ラインズ(Atlas Van Lines)」は、アメリカとカナダの全ての州ごとに、2019年1年間の転居動向を追跡調査した。その結果、転入率がほかのどの州よりも高かったのがアイダホ州であることが明らかになった。

「宝石の州(Gem State)」という異名をとるアイダホ州は、新たに移り住む人が多い傾向が以前から続いており、同調査で転入率トップに立ったのは、2017年に続く2度目となる。一方、州外へと出ていく人が増えているのがニューヨーク州で、2019年の転出率で1位となった。同州は2014年にも転出率ナンバー1だった。

同調査では、26州が、転入と転出のバランスが取れていることがわかった。つまり、転入と転出の件数がほぼ同じということだ。

コロラド州では2019年、10年ぶりに転入が転出を上回った。一方、オレゴン州は2012年から続いていた転入超過の状態が終わり、転入と転出がほぼ等しくなった。テキサス州は、2016年から2018年には転出入がほぼ同等だったが、2019年には転入が上回った。また、オハイオ州は2002年以来初めて、バランスが取れた状態になった。

同社データによると、2018年から2019年にかけて転居総数は減少している。2019年、アメリカとカナダで州境や国境を越えて転居した総数は6万6308件。2018年の7万1092件から減少している。

アイダホ州以外に、2019年の転入率で上位に入ったのは、ワシントン州、ノースカロライナ州、ニューメキシコ州だ。一方、住民が驚くべき速さで州外へと転出しているのは、ニューヨーク州、ウェストバージニア州、サウスダコタ州、イリノイ州だった。

新しい住民が流入して潤っている州の大半に共通しているのが、雇用機会が拡大していることや、相対的に生活費がかからないこと、気候が温暖なことだ。たとえば、フロリダ州は2018年、人口の純増傾向が続き、ニューヨーク州からの転入者数が最大だった。米国勢調査局によると、2018年にニューヨーク州から「陽光の州(Sunshine State)」と呼ばれるフロリダ州へ移り住んだ人数は6万3722人。その次に多かったのがジョージア州からの転入者で、3万8800人がフロリダ州へと引っ越した。

転入率が高い上位10州

1.アイダホ州(62.3%)
2.ワシントン州(60.5%)
3.ノースカロライナ州(59.3%)
4.ニューメキシコ州(59%)
5.テネシー州(58.5%)
6.ロードアイランド州(57.8%)
7.アリゾナ州(57.7%)
8.アラバマ州(56.9%)
9.ワシントンD.C.(56.9%)
10. テキサス州(56.1%)

転出率が高い上位10州

1.ニューヨーク州(62.7%)
2.ウェストバージニア州(62.5%)
3.サウスダコタ州(61.7%)
4.イリノイ州(61.4%)
5.ルイジアナ州(59.6%)
6.ニュージャージー州(57.9%)
7.デラウェア州(57.3%)
8.ネブラスカ州(56.6%)
9.インディアナ州(56.5%)
10.コネチカット州(56.0%)

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

ForbesBrandVoice

人気記事