キャリア・教育

2020.01.24 06:00

震災ボランティアの視点から捉える「オンラインサロン」の力

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被災した人たちにとっては「頑張ろう」という言葉が残酷な響きをもって受け止められることがしばしばあります。大切な人や家、ものをなくしてしまうと、まず生きる気力そのものが削がれます。そこで「頑張ろう」と言われると、ぎりぎりまでしなっていた竹が折れてしまいかねないのです。
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そういうときに、「頑張ろう」じゃなくて、あたたかいご飯やぐっすり眠れる場所だったり、泣きたいだけ泣けるプライベートな居場所だったり、そういうものをどうやって提供していって、“元に戻る力”を蓄えられるような環境をつくるかが大事だと思うのです。ここで発揮されるのが、大勢の人間が善意の力で集まることで生まれる、レジリエンスの力なのです。

オンラインサロンで発揮される力

このレジリエンスが、オンラインサロンの持つエンタメ性のなかで強く発揮されていると感じることがしばしばあります。
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例えば西野亮廣さんのオンラインサロンでは、サロンメンバーが主体となり、”世界一楽しい学校”をコンセプトにした「サーカス!」というリアルイベントが行われたりします。これは、子どものころ勉強が嫌いだった大人たちに向けて、”勉強”と”エンタメ”をかけ合わせて楽しい学びをつくることを目的としたイベントです。

そもそもオンラインサロンは、肩書関係なくフラットに人が集まるインターネットコミュニティとして機能します。このイベントの素敵なところは、ネットを通じて集まる善意の力が、西野さんの明るい未来志向によってまとめあげられ、大きなムーブメントとして発揮されることです。

さらに、大人がまず勉強を楽しむ方法を知り、かつて折れた勉強への心を回復することで、子どもたちへの教育を少しずつ変えていく力を引き出しているのも、特筆すべき要素だと思っています。

被災地に善意の力が集まってレジリエンスを発揮したように、フラットに人が集まることは、それ自体が大きな力です。僕は、このインターネットが持つ大きな力を、いかに明るく力強い方向へまとめていけるのかが、インターネットビジネスに関わるうえで大切なポイントにもなるのではないかと、震災から25年経ったいま改めて考えています。

連載:ポストAI時代のワークスタイル
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文=尾原和啓

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