記事によると、アップルは早ければ3月の後半に新端末を発売する予定だ。SE 2の組み立て作業はフォックスコンとペガトロン、ウィストロンの3社が受託するという。
新モデルのSE2はアップルの2020年の商品戦略において、非常に重要なポジションを担うことになる。価格は従来の機種に比べてずっと割安な449ドル〜499ドル程度になる見通しで、ストレージ容量に応じて異なるという。
興味深いことにこの価格は、アップルの公式サイトで旧モデルのiPhoneを下取りに出して、iPhone 12を購入する場合の価格と同水準となっている。廉価版モデルの投入によってアップルは、出荷台数を再び伸ばせるだろう。ただし、北米や欧州のスマホ市場は飽和受状態であり、主要な購入者層は通信キャリア経由で買い換えを行う人々や、iPhoneを離れたアンドロイド端末の保有者になるかもしれない。
しかし、価格を抑えることで、BRICS諸国などの新興国市場で新たな需要が見込める。ブラジルやインドでは、アップルのシェアはごくわずかだが、市場全体が拡大期を迎えている。これらの市場に最適な端末を投入することで、ティム・クック率いるアップルは、大きな売上増を見込めそうだ。
歴代の端末を大きく下回る価格で提供されるSE2は、ラグジュアリー端末を欲しがる一部の顧客ではなく、メインストリームの顧客らを魅了するだろう。
この戦略を成功に導くためには、新端末の売上を発売直後から軌道に乗せる必要がある。つまり、アップルは入念な準備を行い、需要が高まる初期のタイミングで十分な台数を確保しておかねばならないのだ。発売や出荷スケジュールの遅延は、なんとしてでも避けたいところだ。
競合のサムスンも新シリーズのGalaxy S20の準備を進めており、そのライト版がアップルのSE2の強力なライバルとなる可能性もある。アップルは現在、全力をあげてSE2の製造に取りかかろうとしている。