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Ascannio / Shutterstock.com

ジャック・マーが設立したアリババ傘下の「アント・フィナンシャル」は、中国最大のフィンテック企業として、電子決済サービスを数億人の消費者に提供している。しかし、当局による規制の高まりの中で、同社は新たな市場の開拓に乗り出した。

アントの先端テクノロジービジネス部門のGeoff Jiangはフォーブスアジアの取材に、今後は中国の銀行向けに様々なテクノロジー関連のソリューションを提供していくと述べた。アントは長年、決済や資産運用分野で伝統的な金融機関と競合関係にあったが、今後は銀行のデジタル化を支援し、クラウドやデータ分析関連のツールを提供していく。

Jiangによると、中国では多くの銀行がオンラインでの存在感を高めようとしているが、テクノロジーの知識が足りないのが難点だという。「銀行のデジタル化を支援し、新たな顧客獲得の手助けを行っていく」とJiangは述べた。

銀行は今後、アントのツールでデータを分析し、ローンの査定やリスク判定を行うようになるという。アントは既に江蘇省の南京銀行のクラウドを構築し、1日に100万件以上のトランザクションを処理可能なシステムを整備したという。同社は現状で200の銀行と提携しているが、2020年の末までに中国の銀行の4分の1にあたる1000行との提携を目指している。

今回の動きと並行して、アントは将来的に香港と中国本土で同時に上場することを検討中と報じられた。アントの企業価値は2018年6月の資金調達時に1500億ドル(約16.5兆円)とされた。

中国の現地メディアの報道によると、同社は2017年時点で売上の34%を金融テクノロジーの販売で得ていたが、2021年にはその比率を65%程度まで高めたい意向という。アントの残りの売上はアリペイなどの決済サービスの手数料によるものだ。

Jiangは上場計画や売上の詳細に関しては言及を避けたが、企業向けサービスからの売上は順調に伸びていると話した。

しかし、アントのピボットの背景には、政府による規制の強化を回避したい狙いも伺える。アリババのモバイル決済プラットフォームとして始動したアントの電子決済サービス、アリペイは7兆6000億ドル規模の中国のモバイル決済の53.6%を握り、国営銀行を脅かす存在となった。

編集=上田裕資

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