ビジネス

2020.01.23

人々の購買に選択肢をもたらす、「消費行動イノベーション」の先駆者

グロービス・キャピタル・パートナーズ ディレクターの渡邉佑規とレンティオ代表取締役社長の三輪謙二朗

三輪謙二朗は2015年4月、カメラや家電製品などをネットでレンタルできるサービスを提供するレンティオを設立した。一眼レフ、アクションカメラ、掃除ロボット、ロボット、高圧洗浄機、キッチン家電、ドローン、ベビーカーなど品揃えは1500種類以上。累計レンタル注文数は16万4000件以上にのぼる。19年9月からは、レンタル商品を買い取れる「レンタル後購入」サービスも開始した。

渡邉佑規がディレクターを務めるグロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP)は19年1月、11月に投資を行い支援している。


三輪:出会いは、18年夏。初期投資家のW Ventures新和博さんからの紹介。GCPは大きなファンドなので、次回ラウンドの布石と思って会いましたが、好感触であり、渡邉さんにもぜひ投資してほしいと思い、出資をお願いしました。

渡邉:投資の意思決定までは2カ月以内と比較的早かった。投資をした理由は、一つ目は市場モメンタム。所有から使用・体験へとユーザーの嗜好が変化するなか、対象市場はいまこそ小さいが大きくなりそうだという点。二つ目は、事業を伸ばすためのKSF(キーサクセスファクター)を押さえている点。レンタル事業は簡単そうに見えるのですが、メーカーとの関係性のなかでの仕入れ力、大量のトランザクションを少人数で効率的にさばくための仕組み化された業務オペレーション力が必須。同社はそれができていた。三つ目は、三輪さん、神谷さんという創業者チームの魅力。両氏ともにストリートスマートで人間力が高く、グロースフェーズにおいてもうまく組織を束ねていけるだろうなと。

三輪:レンタル事業は「盗難対策」が課題になるのですが、半分を自動化し、半分を目視で検知し、被害額は業界の3〜5%に対し、1%以下まで抑えられています。また、在庫すべてをバーコードにより単品で管理することで、稼働率をデータ管理し、月間の在庫回転率も90%と高水準を保っています。また、レンタル後に購入したいと思う人が8割を超えるケースも多く、メーカーとの連携も増えてきた。

私たちは今後、現在の対象範囲500億円市場のレンタル市場に加え、レンタル後販売のリユース市場(現在対象範囲4000億円)、新品を所有し気に入らなければ返品できる「Rent to own」の新品小売市場(同9兆円)まで視野に入れ、新しい消費行動を提案していきたいと思っています。
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文=山本智之 写真=平岩 享

この記事は 「Forbes JAPAN 1月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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