だが、イングランド勢でトップに立ったマンチェスター・ユナイテッドは次回、その座から滑り落ちる可能性があると、デロイトのリポートは指摘する。同クラブは今季、UEFAチャンピオンズリーグへの出場権を失っており、これによる収入減が予想されるからだ。
リポートはその一方で、近年ピッチ上でめざましい実績を収めているリバプールが、まもなくトップ5入りすると予測する。
イングランド勢ではほかにも、トッテナム・ホットスパーが史上最高の8位にランクインし、アーセナル、チェルシーを抜いて、ロンドンに本拠を置くクラブのなかで最上位に立った。トッテナムの売上は前季比でプラス21%と急増したが、これは2018-19シーズンにチャンピオンズリーグ決勝に進出したことと、新スタジアムへの本拠地移転によるものだ。
反対にアーセナルは11位に転落した。これは、2シーズン連続でチャンピオンズリーグ出場を逃したことが主な要因だ。
デロイトのリポートは、上位20クラブの放映権売上の伸びが、年間複利成長率換算で11%に達していることにも触れている。識者の一部からは、放映権の価格はすでに天井に達したとの声も上がる。そんななかで、クラブは「収入源のなかでも、自らの取り組みの成果が最も如実に現れる領域」に集中する必要があると、リポートは指摘する。例えばバルセロナなら、グッズの販売やライセンス提供といった事業部門をクラブ内に取り込むことだ。
「バルセロナは、変化する市場の状況に適応しているクラブの好例だ。放映権料への依存度を下げ、自らの権限範囲内にある収入源を成長させることにフォーカスしている。同クラブの商業売上は3億8350万ユーロ(約469億円)に達した。これは、今季のマネー・リーグで12位となったクラブの総売上を上回る額だ」と、ジョーンズは指摘する。
「2019-20シーズン、バルセロナの商業部門はさらに3000万ユーロの増収が見込まれ、クラブの総売上は8億8000万ユーロ(約1076億円)に達するとみられる。ゆえに、来シーズンのマネー・リーグでも、バルセロナは首位の座を維持すると我々は予想する。同クラブは今後数年のうちに、マネー・リーグ初の10億ユーロ到達を達成するという目標を掲げており、着実にこの目標達成に向かっている」