ドーシーの現在の保有資産は44億ドル(約4850億円)を超えており、トランプが大統領に就任した当初の13億ドルの3倍以上となっている。
ツイッターの株価は105%上昇し、ドーシーの持ち株の評価額は2億7500万ドルから6億1000万ドルに伸びた。しかし、彼にツイッター以上の富をもたらしているのは決済企業のスクエアだ。ドーシーはツイッターとスクエアのCEOを兼任しており、トランプが大統領に就任した当時、彼のスクエア株の持ち分の評価額は約10億ドルだった。
その後、スクエアの株価は370%近く上昇し、彼の持ち分の評価額は36億ドルに達している。ドーシーの保有資産44億ドルの約80%を、スクエア株が占めているのだ。
2017年1月20日、第45代アメリカ大統領に就任したトランプはツイッターで「今日から全てが始まる」と宣言した。その後の3年間、トランプの発言はツイッターを発信源とし、ほぼ毎日のようにヘッドラインを飾ってきた。多くの人々が、彼のアカウントの停止を求め、最近では民主党のカーマラ・ハリスがジャック・ドーシーに対し、トランプのアカウントの停止を求めたが、ツイッターはこの要求を受け入れなかった。
一方で、投資家らはツイッターのユーザー数の伸びの鈍化を懸念している。ツイッターの株価は3年前と比べると上昇してはいるが、2018年と2019年には急落にも見舞われた。現在のツイッターの株価は、5年前をやや下回る水準だ。
それに対し、より明るい兆しが見えるのが、2009年設立の決済企業のスクエアだ。小規模企業向けの決済ツールの提供から始動した同社は、近年は大手企業との取り組みも増やしている。スクエアの売上は2018年に50%上昇し、33億ドルに達した。その結果、スクエアの株価は上昇し、ドーシーの資産増にも貢献した。
スクエアの株価は2018年のピーク時と比べると下がったが、長期的視野で同社の未来を楽観するアナリストも多い。「スクエアは既に確固たるビジネスモデルを築いており、今後の巨大な成長ポテンシャルを秘めている」とモーニングスターのアナリスト、Brett Hornは話した。